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フルコン制御の4連スロットル仕様で走りと快適性を両立
人馬一体感を高めつつも、スパルタンさを感じさせないファインスペック!
初代NA型ロードスターのデビューは1989年9月だ。当時、ライトウェイトスポーツと言えば過去の遺物のような扱いで、自動車市場においては事実上消えたも同然の存在だった。
そこへ“人馬一体”のキーワードで、イチから新開発のニューモデルを投入。そのパッケージは60年代のコピーではなく、自然吸気DOHCエンジンのFR駆動で、前後ダブルウィッシュボーンサスやアルミボンネットを採用した意欲作であった。
そんな初代NA型は、30年以上が経過した現在でもチューニングベースとして熱い支持を集めている。
「何と言っても全てがアナログなところが今のクルマにはない魅力。今回持ち込んだのは、1995年に登場した1000台限定のRリミテッドベースで、4スロ化を中心に官能的な走りと快適性を追求しています」とは、カーメイクコーンズの飯塚さん。
心臓部の1.8LのBPエンジンは、2.3mmのヘッド面研により圧縮比を12:1までアップさせた160ps仕様。ダイレクトイグニッションはヴィッツ純正で、マウント用ステーはワンオフ製作されたものだ。
吸気にはカールファンネルを有するRSアイザワのスポーツインジェクションを投入し、フルコンのLINKで綿密にコントロール。インジェクターはアルテッツァ純正を流用している。
ストレートパイプの2本出しテールが特徴的なマフラーは、コーンズのバージョン3。シングルテールタイプもラインナップされている。上流部にはマルハモータースのスポーツ触媒も装備する車検対応のスペックだ。
ホイールはRSワタナベの8スポーク(F14×7.0J+8 R7.5J×14+15)で、タイヤには走り系の主流は195/50-15だが、このマシンは雰囲気を重視して185/60-14(ディレッツァZ2スタースペック)を引っ張り気味に装着。
足回りは、コーンズオリジナルのゼロダンパー(F12kg/mm R10kg/mm)でセットアップ。ブレーキは純正キャリパーにIDIのパッドを組み合わせた上でブレーキラインのステンメッシュ化。パワーに対して十分すぎるほどの余裕を持ったフットワークが、ライトウェイトスポーツとしての良さを引き立てる。LSDはカーツの1.5ウェイだ。
非常に美しい仕上がりを見せる室内。センターコンソール内のDINスペースには、デフィの3連メーター(DINゲージ)をインストールし、メーターパネル内にはPLXのA/F計をスマートにセットしている。ミッションはNB純正の6速を換装し、4.1ファイナルギヤと組み合わせて軽快感をアップさせている。
バケットシートは、別売りのステーで純正シートレールへの取り付けも可能なコーンズオリジナル。レッドのダブルステッチがRリミテッドの赤い内装にベストマッチだ。
初代ロードスターは完全に旧車の領域に入っているが、操縦安定性を電子制御に任せきった現代車にはない、ドライバーとクルマとの濃密な対話感は今なお一線級。その魅力を、最新の技術でバランス良く高めたこのチューンドは、お世辞抜きに最高だ。
●取材協力:カーメイクコーンズ 東京都江戸川区西瑞江4丁目1-1 TEL:03-3656-2323
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