「ピリ辛アルトワークスをNOB谷口が試す!」匠のセットアップが光るチューンド軽

調律されたサスセットで意のままに操れる軽快マシンへ変貌!

高回転まパワーが追従するブーストアップもポイント

香川県の“オートガレージM”と言えば、ホンダS2000のチューニングなどでもお馴染みのショップだが、今回取材したのはサーキットによく映えるピュアレッドのHA36S型アルトワークス。このマシンは、同社としては初となる軽自動車の開発車&デモカーなのだ。

「かつては、エントリースポーツモデルとして1.3Lから1.6LクラスのMT車が各自動車メーカーからラインナップされていましたが、今は選択肢が少ないですよね。そこで手軽な入門車として白羽の矢を立てたのがこのアルトワークス。コスパに優れたチューンを提案することで、若者たちが少しでも走ることに興味をもってくれればと思っています」と三浦さん。

ブルーのアールズ製シリコンパイピングがアクセントになっているエンジンルーム。

エンジンは定番のブーストアップ仕様なのだが、拘ったのは高回転までしっかり使えるパワー&トルク特性の実現。当たり前に聞こえるが、実は近年のオーバーシュートセッティングのターボエンジンは、単にブーストコントローラーを付けただけでは回転上昇に反比例してブーストはどんどん落ちてしまうのだ。

この車両では、フラッシュエディターで燃調と点火時期の補正を行いながら、EVC6でハイブーストを高回転まで維持させるプログラムとしている。さらに、ブーストアップに合わせてスロットルボディを2mm拡大加工して吸入空気量を増大。これにより最高出力は95psに達している。

エンジン、ミッションのマウント位置の関係で、ハードに攻めるとミッションが動いてシフト不良の症状が発生することもあるアルトワークス。その対策として開発中なのが、ミッション下部のセンターに装着するミッションダンパーだ。

オリジナル車高調は可能な限り容量とストローク量を確保するために、あえてネジ式車高調タイプを選択。ダンパーは普通車用並みの大径ピストンを持つモノチューブ式を採用する。フロントキャンバーはブラケット側に専用シムをセットすることで細かく調整できる点も注目だ。

スリット入りの純正交換タイプブレーキローターもオートガレージMの自信作。カーボン含有量が多めの素材を採用することで、高い耐熱性能とパッド離れの良さを実現しているのが特徴だ。テスト車には制動屋のパッドとAPPのブレーキホースもセットしている。

フロント5kg/mm、リヤ3kg/mmの比較的ソフトなスプリングレートを補うために、スタビは前後ともにクスコの強化品を投入。ただし、リヤ用は社外マフラーと干渉するため、ブラケットを加工して逆転タイプとしている。

ホイールは軽量高剛性なコンペティションモデルのボルクレーシングCE28クラブスポーツで、サイズは前後とも6.0J×15+45。タイヤはポテンザRE-71Rの165/50R15で、純正装着サイズよりも低ハイト(高偏平率)な設定としている。LSDにはクスコのRSを奢る。

必要最小限の変更でシンプルにまとめたインテリア。フラッシュエディターは1DINのオーディオスペースにセット。340φのナルディクラシックは、スペーサー追加でコラムごと下方にオフセットしてドラポジを最適化している。

レカロシートもローポジションマウントで着座位置を矯正。スポーツ走行に適した仕様に変更しているのだ。

インプレを担当したNOB谷口。

試乗したNOB谷口は「いやぁ、めちゃめちゃ楽しいね。ステア操作に合わせてグイグイ曲がってくれるので、マシンの軽さを武器にして、ドライバーの思いのままに操ることが可能なんだよね。足は懐の深さもあるから、ちょっと無理をしても裏切られる感じがしない。ポテンシャルも高いし、ドライビングの面白さを存分に味わえるのが良いよね。そして、セントラルサーキットをこんなに広く感じたのも新鮮だったよ(笑)」と好印象。

特別なパーツを使用せずに製作されている点もポイントだ。

オートガレージMならではのセットアップ能力の高さが光るチューンド軽。市販パーツの組み合わせで、軽量化を行わずにパフォーマンスを追求していくのが同社の基本姿勢とのことだが、このアルトワークスにもその精神は貫かれていた。

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●取材協力:オートガレージM 香川県高松市上天神町751-7 TEL:087-816-8777

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【関連リンク】
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http://autogarage-m.com

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