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流行に惑わされずアクチュエーター式のツインターボ仕様を貫く
ステージを選ばない速さを実現するATTKD流GT-Rメイク
GT-Rチューンを得意とする“オーテックツカダ(ATTKD)”。筑波サーキットをはじめ、日本各地のクローズドコースで抜群の速さを見せつけてきた名門ショップだけに、チューニング好きならその名を知らぬ者はいないだろう。
同社のチューニングは、決してピークパワーに頼らず、車両の総合性能を高めていくことで速さを引き出すのが特徴だ。そのため、タービンセレクトは流行りに惑わされることなく、アクチュエーター式のツインターボに拘り続ける。出力はチューンドGT-Rとしてはごく一般的な600ps〜700psに留まるが、低速域からレスポンス良く加速し、トラブル知らずの車両に仕上げることができるという。
ちなみに、塚田代表は「チューンドGT-Rはいかなるステージにおいても速くなくてはいけない」と常々語っている。だからこそ、自らサーキットへと頻繁に通いながら様々なスペックを試し、常にチューニングをアップデートさせ続けているのだ。
今回紹介する真紅のBNR34は、そんなATTKDの思想が色濃く反映されたチューンド。本庄サーキットでは40秒の壁を破り(39秒765/Sタイヤ)、筑波サーキットでも56秒986という強烈なタイムをマークしたレコードブレイカーだ。
心臓部はHKSのキャパシティアップグレードキットを使った2.8L仕様にVカム+GT2530ツインターボという組み合わせだ。低速ピックアップを重視するオーテックツカダの定番仕様となる。エンジンマネージメントは定番のF-CON Vプロによって行われる。
官能的な直6サウンドを奏でるマフラーは、レーシングフィールドからストリートまで幅広く対応すべく作り上げられた美響チタンマフラーだ。インナーパーツを装着しても、一般的なインナーサイレンサーのような排気の詰まりを起こさず500ps程度まで許容するスペックを誇る。フルストレート化した際には90φの抜けで、フルチューンにも対応する。
重要なフットワークは、オーテックツカダの仙脚を軸に構築。スプリングレートはフロント14kg/mm、リヤ12kg/mmをベースにコースごとで変更している。ブレーキは前後ともエンドレスのモノブロックで強化済みだ。
インテリアは、リヤシートが撤去されてロールケージが覆い尽くすというスパルタン仕様となるが、ストリート仕様としての質感を損なわないようにフロアカーペットなどを残しているのが面白い。さらにダッシュボードはバックスキンで貼り替えられ、見た目の美しさにも拘っている。
一方のエクステリアは軽量化をテーマにチューニング。ルーフやボンネット、ドア内張りなどはカーボンパーツに変更。なお、ドアパネルに関しては安全に配慮して運転席側は純正のスチール、助手席はドライカーボンとしている。
この車両を始めとして、オーテックツカダが製作したGT-Rには、他社とは一味違う拘りが随所に感じられるのは、長年培ってきた長大なノウハウがあるからなのだろう。
●取材協力:オーテックツカダ 長野県長野市大豆島5862-1 TEL:026-221-3086
【関連リンク】
オーテックツカダ
http://www.attkd.co.jp/