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ロケットバニーを軸に90年代の日本仕様をメイク
R35GT-RよりもS13シルビアが好きと言い切る男
このS13のオーナーであるライアンは、本業は別にあるのだが趣味が高じてプライベートガレージを立ち上げてしまったほどのカークレイジーだ。
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90年代半ば、スポコンブームのど真ん中にいた彼は、そこからチューニングとスピードの世界にどっぷり浸かり、今ではWRX(GC8)のレースカーをはじめ、ホンダ系を4台(NSX含む)、R32GT-RとR33GT-R(2台)まで所有するほどのJDMスペシャリストとして広く知られる存在になった。
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そんな彼は最近、JDM好きにとっては頂点に君臨するR35GT-Rを買ったが「あまり好きじゃない」から売ってしまったそうだ。ライアンにとってR35は「退屈」なクルマであり、やはりクルマはイジってナンボということを再確認、そしてこのS13のプロジェクトをスタートさせた。
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製作のきっかけとなったのが、ロケットバニーの存在。このクールなワークススタイルに一目惚れしたライアンは、「90年代のジャパニーズチューンド」的な雰囲気を目指してコンセプトを決定。
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北米仕様のS13(240SX)は、2ドアクーペでも日本の180SXと同じリトラクタブル仕様なので、わざわざ固定ライトの「JDMフェイス」へとコンバージョン。そこにロケットバニーを組み合わせて、純日本仕様を構築したのだ。
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外観以上に、このクルマでポイントになるのがエンジン。こちらも彼なりのJDM流儀で、北米輸出されていない6気筒のRB25DETをセットした。
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エンジン本体はいずれRB26DETTに載せ替える予定のため手を入れていないが、各部に新しいペイントを入れ、いかにも「中古エンジン」に見えないようにリフレッシュしている。
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さらに、ハーネス類はお馴染みRywire製のキットを使ってワイヤータックも敢行。美しいエンジンルームに仕上げられている。バッテリーは移設し、それに伴い端子だけバルクヘッド側にセットした。
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「エンジンはデカイのを積む。それがアメリカンウェイさ!」と笑うが、本気でレース活動をしているライアンは、6気筒を積むメリット/デメリットを熟知しており「本気でレースをやるならSRを積む。RBは重いからね」とも語っていた。
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足回りは、FORTUNE AUTOの500シリーズ車高調を軸にセットアップ。CIRCUIT SPORTSのキャスター&キャンバーアームも導入し、ブッシュ類はフルピロ化される。
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ホイールは北米でも人気が高いワークマイスターS1R(F11J×18 R12J×18)で、タイヤにはトーヨープロクセスR888(F285/30R18 R315/30R18)をセット。ブレーキはZ32キャリパーを流用する。
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ナルディのステアリングにニスモのシフトノブと、「日本にいそう」なパーツチョイスで纏められたインテリア。メーターパネルもアメリカ仕様のmph表記ではなく、日本仕様のkm/h表記の物に変更済みだ。
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「いつもビール片手に飲みながら作業してるよ」とおどけるライアンだが、そのメイキングは本気そのもの。最近は、筑波スーパーラップにも興味があるというから、遠くない将来、日本で彼のチューンドを見る機会が来るかもしれない。
PHOTO:Akio HIRANO TEXT:Takayoshi SUZUKI