S30Zの衝撃的アメリカンV8ツインターボスタイル!? 「魅せる」を追求したメイキングは必見!

グラスルーツなアメリカ流Zチューン

禁断のシンメトリーV8ターボ

カリフォルニア州ベーカーズフィールドに住むルイス・ゴンザレスの愛車は、ひと目で個性が伝わるガレージビルドだ。ダットサン240ZにV8エンジンを搭載することはアメリカでは割とポピュラーだが、ルイスの240Zは他にない突飛なタービンレイアウトを採用している。また、それに着手したきっかけもユニークだ。

「V8に載せ替えて、ターボも付けようというプランは決まってたんだけど、その後に知り合いからホーリーのインマニをもらったんだ。本当はツインスロットルが付く方が前側なんだけど、エンジンの上に仮置きしてあれこれ考えていたら、前後逆にしたらどうかってアイディアが浮かんだんだよ。どうせボンネットも閉められそうになかったし、じゃあエンジンルームを見せる方向で作っていこうと決めたんだ」。

エンジンはLSシリーズからトラック/SUV用として派生したLY6型の6.0L・V8鋳鉄ブロックに、ポート加工を施した243アルミヘッドを組み合わせて搭載。ワイセコの鍛造ピストンとK1の鍛造ロッド、鍛造クランクなどが内蔵されている。

ヘッドは、純正カムシャフトの作用角が196/208なのに対して、Cam motion製ターボカムで228/232にハイカム化。その他、チタンスプリングや強化プッシュロッド、強化ロッカーアームなど、動弁系もアップグレードされている。

ルイスが言う通り、Vバンク間に備わるホーリーのスナイパー・デュアル・プレナム・インテークマニホールドは、スロットル側が後ろになるよう装着すると幅の狭い方が進行方向を向くことになる。飛行機や船のように、尖った方が前を向く格好となるので、乗り物として自然に見えるのは確かだ。だが、そうすると吸気管をバルクヘッド側から持ってこなければならず、かなり窮屈な取り回しを強いられることも否めない。

「同時にタービンをどこにマウントするかも試行錯誤したんだけど、せっかくエンジンルームを見せるんだからドラッグレーサーみたいに前方ど真ん中に置いてみたくなってさ(笑) それで、吸気と排気のパイピングが左右対称に見えるように通せばカッコ良いんじゃないかって考えたんだけど、困ったのはインタークーラーの置き場所。結局バルクヘッドを切って、水冷式インタークーラーをセンターコンソールの裏に付けることにしたんだよ(笑)」。

鼻先にマウントされたタービンはプレシジョンのPT7675。82φタービンホイールを備え、1200psを想定するビッグターボだ。

シボレーのピックアップトラックに使われる純正エキマニを前後逆向きに装着。Vバンク前方で一本に集合させ、長い配管を経てタービンに接続している。

タービンの真下にグリフィンのラジエターとミシモトの電動ファンを水平にマウント。Meziereの電動ウォーターポンプで駆動する。さすがにタービン直下とあって冷えが悪いらしく、リヤラジエターに作り直すことを計画中だ。

室内のセンターコンソール裏側に装備された水冷式インタークーラー。それ用に独立した冷却水路を作ってあり、トランクルームには氷水を入れておくタンクを設置。その水を冷やすためのラジエターと電動ファンもリヤバンパーの裏側に備えられている。

インパネはZTrixのFRP製を使用。トランスミッションはV8スワップでは定番のT56型6速MTを使用しており、シフターを収める部分が大きく切開されるなど、内装の作りはまだまだ発展途上な印象だ。

ホーリーEFIのLS用スタンドアローン型ECUである、ターミネーターX MAXと専用ハーネスキットも使用。LSで純正採用される各種センサーにそのまま対応し、ドライブバイワイヤやブーストコントロールもプラグインプレイで利用できる。

シートはNR-Gのセミバケット2脚を使用。ロールケージは組んでいないが、T3のリヤストラットタワーバーで剛性を高めている。

ホイールはBBSのLMで、前後ともに9.0Jプラス5。ニットーのNT555を組み合わせる。サイズはフロントが255/40ZR17、リヤが275/40ZR17。

フロントのサスペンションはS13の240SX(シルビア)から移植しており、S14の5穴ハブ、Z32のキャリパーも流用。車高調の横を縫うように通っているのが、車内のインタークーラーへと続く配管である。

ワイドフェンダーは一見ロケットバニー風のノーブランド品。駆動系はSonnaxのビレットヨークで継いだ2ピースのカスタムプロペラシャフトを、フォードの8.8インチリヤアクスル(ホーシング)に接続。強化タイプのアクスルシャフトが15年式マスタングの純正5穴ハブに繋がり、ディスクブレーキもそこから流用している。

配管類を作るTIG溶接も含めて、ほぼ全ての作業をルイス自身が行なったからこそ、思うがままに実現できたシンメトリーV8ターボスワップ。見る者の脳裏に焼きつく魔性のレイアウトは、これからまだまだアップデートされていく予定だ。

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Photo:Akio HIRANO  Text:Hideo KOBAYASHI

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