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低さと逞しさを放つ足元で研ぎ澄ます
サーキットを駆けるプレミアムスポーツ!
ストリートからサーキットまで、あらゆるシチューエーションに映える1台としてレクサスRC Fを購入したというオーナー。モータースポーツ好きでサーキットが気になってはいたものの、走る機会もなかったことからカッコ良さ重視で20インチ履きのシャコタンに仕上げていた。
「RC Fは低いほどカッコ良いですし、ホイールにBBSのRI-Dを選んだことで気品も備わって満足していました。ただ、体験走行をきっかけにサーキットを経験してから、もっと走りを楽しみたいって欲求が高まりまして…。当初は車高の低さはそのまま、19インチに戻してスポーツ走行を楽しんでいましたが、コーナリングを安定させるワイドトレッド化を図ろうと目を向けたホイールがTE37ウルトラ・トラックエディションIIです」とオーナー。
チョイスしたのは、簡単に履きこなすことのできないチューナーサイズ。マッチングの相談をされた“オートクラフト”は、当初、車格にマッチにしたG025を勧めていたが、タイムアップを図るには近い将来、調整式アームの投入によるキャンバーセッティングが必要となってくることから、フロント9.5J、リヤ10.5Jが履きこなせるフットワークの構築に取り組んだ。
フロントから見ていく。9.5Jプラス22×19インチをフェンダー無加工で履くにはキャンバー確保がマスト。調整式アッパーアームを投入することで最適なネガティブキャンバー4度へとセットアップした。
フロントヘビーに加えてTVDによる駆動制御がアンダーステアを誘発するため、スプリングはHALの高反発タイプ(22kg/mm)に変更。サーキット走行前から使用しているトムス車高調は、現在製作中のダンパーに置き換え予定だ。
安定した走りを引き出すために投入したBiotのブレーキローター。バンパーからインナー前方に導風しているノーマルダクトは、ローターに直接当たるように取り回しを変更してブレーキ冷却性を高めている。もちろん、ステアリング操作時にタイヤと干渉しないよう配慮。
RC Fの車格やノーマルを尊重したいというオーナーの意向も汲み、フェンダーやインナーには一切手を付けていない。この低さでありながら、ハードな走行を行なっても部分的に干渉した跡が残る程度だ。
そしてリヤ。大半のRC Fが10J止まりとなる中、ネガティブキャンバー4度で10.5Jプラス22を見事に履きこなす。ストリート主体ではなく、あくまでサーキットメインというオーナーのスタイルに合わせたセットアップだ。
タイヤサイズはノーマルと同じ275/35−19をキープしたまま、現在は一発勝負と縦方向のグリップレベルが高いと感じているポテンザRE-71RS(275/35−19)を採用している。
スプリングハイトがあると横方向の動きが生じてしまうため、フロント同様に5インチのHALスプリング(20kg/mm)を投入。高反発タイプとしたのは、スポーツ走行時のリニアさを引き出すためだ。
ポテンザRE-71RSのようなハイグリップタイヤは跳ね上げが強く、リヤのタイヤハウスはダメージを受けていく。インナーを新品交換しても一時的に改善されるだけなので、ダメージ回復は行なっていない。
一方、2UR-GSEのエンジンチューニングは耐久性重視のライトスペックだ。吸排気系を強化した上で、トラストのeマネージアルティメイトにより制御を煮詰める。ポテンシャルアップよりも走りの安定感を重視し、高温となる冷却水から独立させたATFクーラーとオイルクーラーを2基掛けにしてハードな周回にも対応する。
現状の富士でのベストタイムは1分56秒58。現在製作が進められているワンオフダンパーが完成すれば、さらならタイムアップも可能だろう。レクサスベースで低さと速さを追い求めるオーナーの挑戦はこれからも続くのだ。
PHOTO:年岡尚利/REPORT:村田純也
●取材協力:オートクラフト京都 京都府京田辺市大住大峯1-7 TEL:0774-64-6466
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