「製作ペースは年に1台!?」オオクボファクトリー入魂のER34改4ドアGT-R製作現場に潜入!

BNR34はもはや手の出せない価格帯に・・・

だからこそ注目したい本気のGT-R仕様!

往年のハコスカとR33スカイライン(オーテックバージョン)のみに存在した4ドアモデルのGT-R。それをER34で完璧に創り出したいという強い想いを胸に、BNR34の純正パネルを使いながら4ドアGT-Rを生み出し続ける“オオクボファクトリー”。

同社による作品は、もはやメーカーからラインオフされたかのような質の高さを誇り、多くのユーザーから絶大な支持を得ていることは言うまでもない。

「製作には非常に手間と時間が掛かるので、作るのは1年に1台と決めているんです。生産台数は19台を予定していて、現在作っているのは5号車(取材時)になりますね」と語るのは代表の大久保さん。19台というのは2002年にニスモが発売したBNR34ベースのコンプリートカー、Zチューンの総生産台数に倣ったものだ。

今回はその製作途中を取材することができたが、リヤのブリスターフェンダー化にはドアからインナーフェンダーまで大幅な加工が施され、トランクパネルに至ってはER34用とBNR34用のパネルを部位ごとに巧みに組み合わせるなど、「そこまでやる!?」という作業の連続。

大久保代表が手に持っているのは、BNR34純正リヤフェンダーパネルの一部。4ドアのER34にBNR34のリヤフェンダーを組み合わせるには、当然、リヤドア形状に合わせたカットが必要になる。さらに、そのパネルを違和感なく装着するためにリヤドア側も大きく加工が施される。

リヤフェンダー後部は長さ調整のため、途中をカットして10cmほど鉄板を継ぎ、4ドアでも違和感のないサイドビューを創出。鈑金作業を得意とするオオクボファクトリーの技術力があってこそ成せる業だ。

リヤドア側から見たフェンダーアーチ部。拡幅に合わせたぴったりな寸法で鉄板があてがわれ、始めからそうであったかのような仕上がりを見せる。

リヤインナーフェンダーもBNR34純正パネルを移植。この角度から見ると、リヤドアの“耳”の部分を何本もの細いステーで支えながら外側に出し、ワイドフェンダーを組み合わせていることが分かるはずだ。

鈑金作業による4ドアGT-Rの製作は見どころばかりだが、中でも注目したいのがBNR34純正バックパネルの移植。これで純正テールランプユニットの装着が可能になり、R仕様としての完成度を格段に高める。フロアパネルとの間に生じる隙間の処理にも当然、抜かりはない。

塗装されてしまったら、まず気が付かないだろう凝ったトランクパネル。上部中央がER34、その左右とテールランプユニットの間がBNR34のパネルで、ボディのプレスラインや各パネルとのクリアランスなど辻褄合わせが実に見事。少なくとも外装に関しては、『カロッツェリアで生み出されるリアルなGT-R』と表現してもいい。

事実、そこに使われているのはBNR34純正パーツ。日産がラインで生産したのではなく、オオクボファクトリーがハンドメイドで作り上げたGT-Rと言うのが正しいかもしれない。切った貼ったで組み合わされ、鉄板ビスや点付け溶接で仮留めされたボディパネルを見て、大久保さんが言う「1年に1台」という意味がよく理解できた。

「ミツオカまで足を運んでビュートの製作現場を見学させてもらったり、オーテックA30(K13ベースの超ワイドボディモデルで限定30台)が大阪オートメッセに出展された時、柵の中に入れてもらって細部まで舐めるように見せてもらったり、自分なりにボディメイクを研究してきました。そういうことが大いに参考になっているのは間違いないですね」とのこと。

4ドアボディキットに付くシリアルプレート。車両完成後に発行されるもので、製造年月日、製作ショップ、車体番号、シリアルナンバーなどの情報が明記される。

なお、ベース車両持ち込みの場合、鈑金作業での4ドアGT-R製作にかかる費用はボディ全塗装込みで約500万円。今や1000万円出してもBNR34の中古車が買えない状況を考えると、ER34ベースで極めてリアルなR仕様を作るのは、かなり現実的な選択肢かもしれない。

ただし、残りはあと10台余り。本気で欲しい人はバックオーダーの状況確認を含め、今すぐオオクボファクトリーに問い合わせることをお勧めする。

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●問い合わせ:オオクボファクトリー 愛知県稲沢市赤池東山町100 TEL:0587-84-3434

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【関連リンク】
オオクボファクトリー
https://okubofactory.com

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