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RB26DETT+OSシーケンシャルで圧倒的戦闘力!
22年の歳月をかけて作り上げたオーラ満点のフルチューン仕様
クルマ好きであれば、誰もが中高生の頃に憧れを抱いた1台が存在するはずだ。今回紹介するZ31型フェアレディZは、そんな憧れを叶えた男の愛機。
オーナーは、元々S13シルビアでゼロヨンを嗜んでいた人物だ。「購入は2000年。Z31は学生時代から憧れの存在で、当時は中古車相場も安かったので比較的手に入れやすかったですね」とのこと。
購入時点でRB25DETがスワップされた状態だったそうだ、自分の理想を求めてチューニング開始。早速、当時クルマ好き達の間で話題になっていたBNR34のボディカラー“ミッドナイトパープルIII”へのオールペンを敢行した。ちなみに、現在もそのカラーを維持している。
エンジンはRB26DETTへとスワップ。速さを求めて…というよりは、最強パワーユニットへの憧れの方が強かったそうだ。その後、ステップアップを重ねながら、最終的に1mmオーバーサイズピストンを組み込んだ2628cc仕様にT88-33Dタービンをセットしたビッグシングル仕様まで進化。F-CON Vプロによる制御で最高出力は700psオーバーに達している。
ヘッドにはHKS製Vカムをセットして可変バルタイ化。RB26DETTの弱点である低速トルクを補いながら、高作用角ハイリフトなカムでさらなる高回転の伸びも獲得している。
「RB25からRB26に載せ換えた時も感動しましたが、Vカム導入も同じくらい衝撃的でした」とはオーナーの弁。
フェンダーはフロントにアバンテオートのブリスタータイプを、リヤに不明の貼り付けタイプ(スムージング処理)をそれぞれインストールして迫力のワイドスタイルを構築。
ホイールは19インチのボルクレーシングTE37TTA。サイズはフロントが10.5Jプラス15+25mmスペーサー、リヤが11.5Jプラス22+30mmスペーサーというかなり攻めたセットアップだ。
ストリート仕様らしいインテリアは、オーナー自ら中古ベースで製作したカーボンダッシュボードがポイント。ちなみに、この車両は元々パワーFC制御で後にVプロを追加した経緯があるため、センターコンソールにはFCコマンダーも残されている。
シートは2脚ともレカロのSP-Jラプターに交換される。なお、ミッションも高出力にともないOS技研の6速シーケンシャルドグへと変更。これは以前所有していたゼロヨン仕様のS13シルビアから受け継がれたアイテムとのこと。
トランクルームにはNOSタンクが鎮座…と思いきや、これはタンクを模したサブウーファーボックス。洒落の効いたアクセントパーツだ。
エクステリアはシーケンシャルウインカー機構を備えたヘッドライトやLEDテール等で近代化。これらは、リヤスポイラーを含めてオーナーのDIY作品というから恐れ入る。
「前に乗っていたS13と同じく、ゼロヨンで走れるように作りました。フージャーとか履けば10秒台はいけると思うんですが…今の仕様になってからは、綺麗すぎて走りに全振りできていないです(笑)」とほくそ笑むオーナー。
購入から20年余り、Z31に拘り続けたオーナーだからこそ辿り着けた仕様と言えるかもしれない。
PHOTO:平野陽(Akio HIRANO)