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ミッドシップ化+175馬力は強烈!
バイクエンジン搭載ミニカが更に進化
チューニングやカスタムの原点は「他人のクルマに負けないように速く」や「誰もやっていないことをして目立つ」といった負けず嫌いのオンリーワン精神。その両方を遺憾なく発揮しているのが、この三菱ミニカ。大阪府豊中市に店舗を構える“広栄自動車”の原代表が趣味で製作した、魔改造エンジョイドリフト仕様だ。
エンジンはスズキGSX1300R隼に搭載される、175psの直4ユニット(1300cc)を助手席位置にマウント。以前はエンジンルームに納めていたが、「FRのコントロール性とミッドシップのトラクション性を両立させたい」という想いからフロントミッドシップ化にチャレンジしたそうだ。
ミッションは隼の純正を使っているが、当然のことながらバイク用ミッションのためリバースギアが存在しない。その対策として、プロペラシャフト(分割式)間にクワイフ製バックギアボックスを組み込んだ。金色のパーツがバックギアボックス本体だ。
駆動系のメイキングも強烈だ。クワイフ製バックギアボックスから延びたプロペラシャフトはギア(スプロケット)に繋がり、バイクのようにチェーンを介してホーシングに駆動力を伝達する仕組み。ちなみに、ホーシングは三菱の軽トラ「ミニキャブ」のものを流用。スプロケットは工業用の汎用品、チェーンは隼用を長さ調整してセットしている。
ドリフト仕様のため、切れ角アップは絶対。このミニカは、50mmの加工延長ロワアームを軸に各部を加工しながら驚くほどのアングルを実現している。
フロントサスペンションは、容量を稼ぐためにツインダンパー化。衝撃的なカスタマイズだが、思ったことは実際に試して判断するのが原代表のチューニング理論なのである。
これらのチューニングによる効果は絶大で「どんな速度域からでもアクセル一発でドリフト状態に持ち込めて、コントロール性も良い感じです。ようやくドリ車として理想的なレイアウトになってきましたね」とのこと。スケールは小さいものの、メイキングは異次元レベル。情熱と夢をカタチにした原代表の技術力には感服だ。