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2JZ-GTEにT88-34Dタービンをセットして750馬力オーバー!
プラドのナローデフを流用したスペシャルなリヤサスも見所
名車として名高いAE86と同時期に、1クラス上の走り屋マシンとしてマニアックな人気を誇っていた60系カリーナ。
車格的には、コロナとカローラの中間に位置するが、その方向性は明らかに走り指向だった。手頃なサイズのFR車両だったため峠を走るドリフトユーザーからの支持が高まり、現在でもマニアックなドリフト仕様にされた車両を見かけることは少なくない。
しかし、ここで紹介する車両は本格的なゼロヨン仕様。ルックスは控えめながらも、ナンバー付きのままゼロヨン9秒台を狙えるスーパードラッガーとして大改造されたものだ。
カーボンボンネットに隠されたエンジンルームには、4気筒エンジンからの載せ換えとは思えないほど自然で、しかも美しい仕上がりで換装された2JZ-GTEが収められる。エンジン本体は圧縮比を若干低めに設定したハイブースト対応仕様だ。
組み合わされるタービンはT88-34D。トラストの大容量サージタンクやインフィニティQ45スロットルなどをセットし、F-CON Vプロ制御でブースト圧1.7キロ時に750psオーバーを発揮する。
駆動系も凄まじい。リヤのタイヤハウスは完全に作り直され、そこにプラドのホーシングを加工して製作された4リンクナローデフを装備。これは、高出力エンジンに対応するためのキャパシティアップと、ゼロヨン走行時の直進性&トラクション性能の向上を目的としたチューニングだ。
ナローデフはアーム角の調整も細かくできる本格的なもので、現在はスプール仕(デフロック)仕様となっている。
さらに駆動系を遡ると、ミッションにはホリンジャー製のシーケンシャルドグが搭載されるなど、その装備だけを聞いて車種を想像することは不可能ともいえる組み合わせだ。なお、シーケンシャルのシフトレバーの前にあるのは油圧サイドブレーキ。スタート時のトラクションコントロール用として使うのだ。
エキゾースト系はドラッグスペシャルと割り切った大迫力のサイド出しとなる。タイヤ&ホイールは共にミッキートンプソン製だが、ホイールは流用されたプラドのハブに合わせてオフロード用の6穴仕様となる。ちなみにタイヤは、公道使用可能なDOTタイヤだ。
コクピットもブリッドのガイアスをはじめ、旧車とは思えないパーツセレクトが目立つ。メーターパネルはスタックST8100を中心に作り直され、保安基準に適応させるために必要なインジケーターなどを全て装備する。
世界最強のTA63カリーナといっても過言ではない唯一無二の異色ドラッガー、こういう想定外チューンドがゴロゴロしているからドラッグの世界は奥深く、そして面白いのだ。
●取材協力:C&Yスポーツ TEL:0561-38-8325
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