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シンプルなルックスの中に500馬力オーバーの強心臓をインストール
フルストリップ状態からボディ補強も徹底!
あえて内に秘めた闘争本能を隠すように仕立てられた、シンプルなエクステリアメイクが特徴のMZ20型ソアラ。オーナーが目指したのは、チャイルドシートを載せて家族サービスにも対応できる“ファミリーカー兼ドリフト仕様”というものだ。細部を見ていく。
ブルーとイエローでコーディネイトされたエンジンルーム。その中心には、燃焼室加工やポート研磨、ハイカムなど、ひと通りのヘッドチューンが施された2JZ-GTEが鎮座する。排気量は3.0Lのままだが、耐久性を確保するため腰下のコンロッドはH断面に交換済みだ。
組み合わせるタービンは、ウエストゲート式のTO4R。ドリフトでの扱いやすさを考慮し、中間域のピックアップを重視したセッティングが施される。エンジンマネージメントはパワーFCが担う。
低速トルクの底上げを狙って、ウエットショット式のNOSを投入しているのもポイント。全噴射時の最高出力は実測で500psを軽くオーバーするそうだ。
エキゾースト環境は、柿本スーパーファクトリーにオーダーした2系統排気のワンオフ仕様。片側は完全密封が可能なバルブ付きフルストレート(爆音排気)、もう一方はサイレンサー付き(ジェントル排気)のデュアルテールとなっている。車内でバルブの開閉操作が可能だ。
名刺すら入らないほどの低車高とツラウチを追求しているが、各部とタイヤの干渉はなく走れる足に仕上がっている。ちなみにキャンバー角は、ロアアームの延長加工によってフロントをネガ7度、サスメンバーの加工でリヤはネガ5度に設定。
ブレーキチューンも抜かりなし。フロントキャリパーはKスポーツの8ポットを、リヤも日産純正キャリパーへとそれぞれグレードアップしている。
ドレッシーなホイールは19インチのワークLSで、そこにナンカンNS-2(F225/35-19 235/35-19)を組み合わせる。
ボディは経年劣化が激しかったため、一度フルストリップ状態にしてからレストア&スポット溶接増し補強を敢行。最新モデルにも負けない剛強ボディを手にしているのだ。
インテリアはあえてノーマルをキープ。キッチリとレストアされているため、30年以上前の個体とは思えないほど美しいコンディションを誇る。追加メーターや電子パーツ類はグローブボックス内に集約。ミッションは1JZ用の5速だ。
旧車フェイスを引き締めるカットレスレンズのヘッドライトは外観のポイント。純正ライトからリフレクターパーツをキャンセルしてワンオフ製作したものだ。
基本的にはドリフト仕様だが、本気で踏み切ればポルシェやGT-R等のプレミアムスポーツ勢すらも撃墜できるほどの戦闘力を秘めたモンスターソアラ、魅力的すぎるだろう。