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軽さを活かしたトータルチューニングがミソ!
機能とスタイルを両立させたオリジナルエアロも注目
日本を代表する屈指の名チューナー、向井敏之氏が率いる老舗チューニングショップの“カンサイサービス”。ターゲットとなる車種は軽自動車から大排気量スポーツカーまで幅広いが、中でもGRヤリスのような軽量でコンパクトな4WDターボマシンは向井代表の大好物。デビューと同時にデモカーを導入し、珠玉の素材に磨きをかけるべく全力でチューニングを展開し続けている。
「タイムアタックなど、特定のステージに特化したマシンもGRヤリスなら可能ですが、あくまでもストリートでの使い勝手を維持しながら、しっかりタイムも出せる快速ランナーを目指すのがカンサイ流のチューニングアプローチなんです」と、向井代表はGRヤリスのコンセプトを説明する。
2台のデモカーは、RZハイパフォーマンスを“ストリート志向”、RCを“サーキット志向”としてセットアップ。同条件でパーツやセッティングの比較が可能なのが2台体制のメリットで、そうして得られた豊富なデータをフィードバックしながら、ユーザーの望むベストを提供できるのがカンサイサービスならではの大きな強みとなっている。
さて、そんなカンサイサービスが、約4年間に渡るGRヤリスのチューニングプロジェクトを通じて、現状のベストとして提案してくれたのが、ここで紹介するブーストアップメニューだ。
現状、ブーストアップのための選択肢としてはメインECUの書き換えやプラグインECUなどがあるが、カンサイサービスでは信頼性とコストパフォーマンスを考慮してHKSパワーエディターRの使用を推奨している。
「GRヤリスに採用されているタービンのアクチュエーターは、EVCなど従来型のブーストコントローラーでは対応できない負圧式です。そこで、純正の圧力センサーを利用してブースト圧を高めることが可能なパワーエディターが役に立つわけですが、“R”は制御センサーの入力チャンネル数が4chに増えていて、エンジン回転数やアクセル開度、さらに任意で車速の把握が可能。かなり綿密な制御ができるのでお勧めですよ」。
パワーエディターRとセットで導入したいのが、コールドエアインテーク(22万円)だ。これは、フレッシュエアを効率良く取り込むことを目的とした総合インテークシステで、HKS独自のフローベンチテストでは、最大20パーセントの通気抵抗低減を達成している。
パーツ構成はムキ出しエアクリーナー「スーパーパワーフロー」、カーボンサクションパイプ、カーボンヒートインシュレーター、エアフロアダプターとなる。
一方の排気系は、マフラーに加えスポーツキャタライザーまで含めたフルエキゾーストへとアップデートが理想。これらのチューニングによって獲得できる約330psのパワーを楽しむためのキーパーツとして必ず追加したいのが、油温上昇対策のオイルクーラーだ。
サスペンションは、リニアなハンドリンク特性を求めてHKSのハイパーマックスⅣ SP(F12kg/mm R16kg/mm)でアプローチ。クスコのタイプRS機械式LSD(F:1WAY R:1.5WAY)とのバランスを見極めながら、旋回時と挙動の安定性を高次元で両立できる仕様を目指して開発を進めている最中だ。
続いてブレーキ。純正の2ピースローターはなぜかローターのみでの供給はなく、交換すると1枚10万円以上と高価。そこでお勧めなのが、最終テストをカンサイサービスが担当したプロジェクトμのワンピースタイプだ。価格はフロントが7万7000円、リヤが5万5000円とリーズナブル。パッドはプロジェクト・ミューのレーシングN+がベター。
エクステリアはオリジナルのエアロパーツでフル武装。どれも純正のスタイリングを活かしながらワンランク上の空力性能とドレスアップ効果を狙った、カンサイサービス渾身のデザインとなっている。構成は、フロントリップ(FRP:4万円/カーボン:7万2000円)、フロントカナード(FRP:2万6000円)、サイドステップ(FRP:5万8000円/カーボン:9万2000円)、リヤゲートスポイラー(FRP:6万2000円)だ。
サイドシルへのカーボンシート加工は、カンサイサービス入庫車限定のメニュー。また、密かな人気となっているのがリヤゲート補強ブロック(1万3200円)で、こちらは純正リヤスポイラーの走行中の変形を抑えるアイディアパーツだ。
「ストリート仕様のRZハイパフォーマンスに代わり、まもなくマイナーチェンジ後のRZグレードAT車が新しいデモカーとして納車になる予定です。ATのポテンシャルがどれほどなのか楽しみですね。純正ECU書き換えも引き続き開発中ですが、お客さんに提供するまでにはもう少し時間が掛かりそうです。オリジナルエアロは、ボンネットを追加する予定ですのでご期待ください。」とは向井さん。
引き続き積極的なパーツ開発を続けていくカンサイサービスの動向に注目すべし!
●取材協力:カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL:0743-84-0126
【関連リンク】
カンサイサービス
http://www.kansaisv.co.jp