目次
内装はカーペットに至るまでフル張替え!
懐かしのモデナを現行ロードスターで履きこなす
どうしても後回しにしがちなインテリアメイクだが、「Street Wheelers Spring Session」で発見したこのND型ロードスターは凄かった! インテリアカスタムにかけては無類の強さを誇る関西の“ファットムーン”の手により、徹底的にカスタムされていたのだ。
タンレザーでフル張り替えされたインテリアは、オーナーが所有していたオレンジ×水色のバッグが着想の原点。レザーはアストンマーティン、カーペットはポルシェと、欧州スーパースポーツが純正採用しているものと同一の素材で製作されているそうだ。
ステッチやサイドブレーキブーツ、メーターパネルのインナーなど、差し色的に配された水色がオリジナリティを演出している。
ちなみに、国産車は内装パーツ同士の間隔がかなり狭く作り込まれているため、輸入車の張り替えに比べると作業の難易度や配慮すべきポイントは格段に多くなるそうだ。
シートは特徴的な形状を持つレカロのA8がベース。表皮はインテリアのテイストに合わせて張り替えが行われている。
幌も純正ではなくダークブルーのものへと変更。アウディ純正のシャムベージュメタリックとされたボディカラーとのマッチングも良好だ。
エクステリアは拘りのエアロミックス仕様だ。マツダスピード製のフロントリップとサイドステップ、ガレージ・ベリー製のフロントフェンダー、レッグモータースポーツ製のダックテール(パテ埋め処理)と計3ブランドを巧みに組み合わせて構築している。
センター出しのマフラーはオートエクゼ製をベースに、ポルシェボクスター用のスーパースプリントをドッキングさせたスペシャルだ。
ホイールは往年のアウトストラーダモデナ(F9.0J+24×17 R9.5J+28×17)。リヤのフェンダーのみ内側をカットして収めている。
ホイールとフェンダーのプロポーションは、攻めすぎずそれでいて甘くない絶妙な設定だ。車高を下げていった結果、想像以上にリヤのネガティブキャンバーが付いてしまったため、チャージスピード製の調整式アームを投入して補正したという。
ただ闇雲にパーツを装着していくのではなく、ロードスター本来の美しさを尊重した絶妙なバランス感覚。目指す方向はどうであっても、他のクルマとは違う、自分だけの1台を作り上げる。そんなチューニング&カスタムの基本ともいえる明確な意思を、この車両から感じずにはいられない。
PHOTO:土屋勇人(Hayato TSUCHIYA)