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パワーとトルクを求めてエンジンスワップによる排気量アップを敢行!
載せ換えによってベースの性能を引き上げる
Z31チューンを得意とする“アバンテオートが仕上げたこの2台の2シーターモデルは、どちらもエンジンスワップが施されたチューンドスペックだ。
まず2トーンカラーの300ZXは、元々のVG30ETからテラノに採用されていたNAのVG33Eへとスイッチ。腰下はターボ化を前提に、JE製ピストンやエスコート製コンロッド等を投入することで、排気量を3.4Lまで拡大しつつ圧縮比も8.9から7.5まで落としている。
ヘッドは、フル加工を施してオリジナルカム(IN/EX 280度)をセット。そこにT88-33Dタービンが組まれ、最大ブースト圧1.6キロ時に700psを発揮する。燃調や点火時期の制御はF-CON Vプロが担う。
冷却系はワンオフパイピングを介してトラスト4層式インタークーラーをセット。その分、ラジエターの冷却性能が低下して水温が厳しくなるため、コアサイズの大きいラジエターに交換するなどして対策している。
代表の浅草さんによると「VGでとことんイジった仕様とはいえ、普段乗りにも使っているストリート仕様。30年前には無かったVプロで緻密な制御を行っているので、このパワーでも快適に乗れるんですよね。そういった意味でVGチューンも楽しみ方の幅が広くなりましたよ」とのこと。
一方のブラックの200ZRは、RB20DETを降ろしてRB25DETを換装。排気量が500cc増えることでの大幅なトルクアップはもちろん、チューニングの発展性を考えてもRB25化のメリットは大きいのだ。
エンジン本体はノーマルで、インタークーラーは元々の上置きタイプをそのまま流用。前置き化を避けたのは、ラジエターの冷却効果を重視したためだ。ラジエターは真鍮2層タイプとしている。
「RB系でイジッていくなら、RB25か26への載せ換えはおすすめというか、大前提と言っても良いでしょう。正直、RB20だとパワーアップの限界値が低いですから」。
一方のミッションは300ZXがZ32用5速、200ZRがECR33用5速をそれぞれ流用している。
足回りは、どちらもビルシュタイン車高調でセットアップ。これは街乗りを意識したオリジナルセッティング仕様で、ストリートからサーキット走行までを想定した減衰力特性に仕上げられている。
タイヤ&ホイールは、300ZXが17インチのアウトストラーダモデナ&アドバンネオバ(F235/45-17 R245/45-17)で、200ZRが16インチのSSRリバースメッシュ&DNA Sドライブ(F205/55-16 R225/50-16)だ。
そして、エクステリアに関しては2台ともシンプルに仕上げているのがポイント。リップスポイラーと、ボディカラーに合わせたブラックのホイールでコーディネイトした200ZR。対してブルー&ブラックの2トーンカラーとされた300ZXは、オリジナルバンパーと50thアニバーサリー用のボディパーツでセットアップしている。
国産スポーツカーの代名詞的存在として長い歴史を持ち、世代交代を続けるフェアレディZ。その一時代を担ったZ31は、今時のチューニング技術やパーツを投入することで30年前とは違った楽しみ方ができるのだ。
●取材協力:アバンテオートサービス 神奈川県横浜市都筑区池辺町4890-3 TEL:045-930-1411
アバンテオートサービス
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