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旧車では考えられない快適性を現実に!
レストモッドシーンの最先端を駆け抜けるAE86!
今回取り上げるのは、栃木県宇都宮市のdestructionが製作したAE86。見た目は純正然とし、エンジンも定番の4.5AGながら、フルコン制御による電スロ&ダイレクトイグニッション化、電動パワーステアリング&パワーウィンドウ化を実現。取り付け場所を選ばない電動コンプレッサーを利用したクーラーも完備と、旧車の域を超えた…というより、今の時代に旧車に乗るからこそな最新電動カスタマイズがてんこ盛りなのである。
代表のNoriaki Kumamotoさんは、もともとスポコン全盛期にホンダ車のカスタマイズで名を馳せたプライベーター。鈑金塗装のこだわりを毎度毎度人に伝えるのが億劫になり、自身のショップを開業するに至った。クルマいじりは常にアメリカを意識しており、海外製パーツへの造詣も深い。
ベース車は数年前に購入した中古車で、実はカローラレビンのヘッドライト回りがトレノ化されていたもの。外装も当初から400台限定のブラックリミテッド仕様へと、ある程度リメイクされていたそうだ。
それが現在の超進化系へ変貌したのは、老舗チューナーのレーシングサービスYASUで電スロ化の話題をキャッチしたのがきっかけ。LINKがECUとともに電子制御スロットルとダイレクトイグニッションをキット化したのを知り「これぞ4スロに変わる新定番!」と可能性を感じたそうだ。
エンジンルーム内のごちゃついた印象を与える配線&配管類は、ワンオフのワイヤーハーネスを使用する引き算と、差し色にもなるXRPのPTFEホースを使用する足し算で解決。82φと大径なBOSCH製の電子制御スロットルは、ワンオフのインテークマニホールドに接続。
電スロとダイレクトイグニッションを含むエンジンのマネージメントは、LINKのG4X Xtremeで行なう。Raychemのミルスペックワイヤーを使用したワイヤーハーネスは、富山県のEFIテクノロジックがワンオフで製作。カチャっと外すだけでエンジン脱着作業に臨めるレーシングカプラーも使用する。
電動コンプレッサーをはじめ、エバポレーター、コンデンサー、レシーバータンク、ホース、フィッティングなどがセットになった、CRUIZEのクーラーキットを使用。エンジンルームのすっきりした美観を保つため、電動コンプレッサーは右ヘッドライト下の空間を利用して隠すように設置した。エバポレーターはインパネの内側に収まり、純正の送風口から冷風を送り出す。
内装は東京都小平市のFILIFファクトリーにてオールレザーに張り替え。シートはカーボンケブラー採用のブリッド・ジータⅢを装着し、リヤシートも同じくブリッド仕様で張り替えを行なった。また、GT APEXの純正内装を流用することでパワーウィンドウ化も実現。
ラテラルロッドを含む調整式のアーム類やスタビなどは、T3(テクノトイチューニング)の製品でコンプリート。トランスミッションはアルテッツァの6速MTをベルハウジングの溶接で4.5AGとドッキング。
前後の車高調もT3の製品で、フロントにはクロモリで製作された純正形状のスピンドルとストラットケースが備わる。ブレーキもウィルウッドのパーツを使用したT3のキットで、リヤはツインキャリパーを実現するブラケットを装備。
スポット増しによるボディ補強も行なったほか、テクノトイチューニングの足回りパーツもフル投入。旧車とは思えないソリッドな乗り味と、旧車ではあり得ない快適さを見事に両立している。
●取材協力:ディストラクション 栃木県宇都宮市宝木本町1698-1 TEL:028-688-8174
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