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ランエボXはスタンス系ベース車として要チェック
ノーマルアームで11Jリムのホイールも飲み込める!
速さの追求だけではない、CZ4Aが秘めるポテンシャル。それは、現在大きな盛り上がりを見せているスタンスシーンへの高い適応力だ。
というのも、がっつりと落とした車高に攻めのホイールマッチングが必須となるスタンス系を楽しむためには、普通であればワンオフ車高調やフェンダー処理だけでなく、アーム類まで徹底して煮詰めていく必要がある。
ただ、ストラット&マルチリンクの足回りと容量あるタイヤハウスを持つCZ4Aなら、市販の車高調とフェンダー処理プラスαで、11Jの極太ホイールをマッチングさせたリムツラ車高が実現可能。タイヤの引っ張り具合やホイールマッチングといった部分でセットアップノウハウは求められるものの、それでも手数としては最低限の部類だ。
今回クローズアップしたCZ4Aは、まさにそうしたメリットをフル活用して仕上げられた一台。
まず、走りとスタイルを両立するためにチョイスした車高調は、HKSのハイパーマックスMAX IIIスポーツ。11Jリムのホイールをマッチングさせるためには、やはり各部のクリアランスは厳しくなる。特にHKSはID65のスプリングを採用しているため、フロントをヘルパースプリングレスにして、シート位置調整と引っ張りタイヤで干渉を回避している。フェンダー側はキャンバーボルトとアッパーマウントで、3度半のネガキャン設定とツメ折りでクリア。
なお、さらなる低車高を狙っていく場合も、20kg/mm程度にレートアップしたハイトの低いスプリングに換え、ストローク量の制限とホイールクリアランスの確保、ロールセンターアジャスターによるロワアーム角度の修正を行い、スタビライザーのフレーム干渉を回避する程度で完結する。
フロントのボディ側はフェンダー処理(ツメ折り)に加えて、インナーを部分カット。スプリングレートが低くてストローク量が多い場合は、凸部をフラット化しておく必要もあるそうだ。
一方のリヤは、ケース調整で車高を落としてノーマルの偏芯カムでネガティブキャンバーを付けているだけ。ただし、前後の車高バランスが崩れないように注意したい。ちなみに、前後ドライブシャフトブーツはここまでの極低車高になると消耗品扱いだ。
リヤのボディ側もフェンダー処理が不可欠だが、ノーマルではフェンダーのツメに向かって垂直方向のリブが存在している。そのため、リブの研磨とツメ切りで対応する。
ホイールは、スペーサーを使うことなく履きこなすためにオーダーインセットが可能なワークXSA04Cをチョイス。フロントはビッグキャリパー対応ディスクとする必要もあるが、それでも十分なリムを手に入れることができる。タイヤは前後245/35-19のNT555を合わせている。
こうして奥行き感あるディープリムと地を這うような極低車高で迫力あるスタイリングが完成。アームはもちろんブッシュまでもがノーマルで、現車合わせのフェンダー処理をした程度なのだから驚く。
「ノーマルのCZ4Aは車高が高いこともあって、スタンス系に仕上げていくと非常に存在感あるスタイルが楽しめます。CT系エボよりもタイヤハウス容量が増しているので、10.5Jなら楽々履きこなせる懐の深さも魅力ですね。エアロパーツのボリュームを落としてID63のスプリングを使う当社のフルオーダー車高調に変更すれば、この状態からまだまだ落としていけますよ」とは、マシン製作を行なったバランス奥村さん。
スタンスシーンではまだまだユーザー数の少ないCZ4A。そのレア度と手軽さからも、見逃せないベースマシンと言えるだろう。
●取材協力:バランス 大阪府高槻市西面中1-2-1 TEL:072-679-1600
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