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ライトチューン状態でも驚異的な速さ
目指すはラジアルタイヤでの筑波1分2秒台!
埼玉県入間市にショップをオープンしてから、今年で9年目を迎えた“ガレージヤマゴウ”。代表の山郷さんは名門“JUNオートメカニック”でD1GPマシンや最高速仕様のフェアレディZ製作を担当していた気鋭のメカニック。ショップオープン後も様々な車種を手掛けているが、中でも力を入れているのが、スバル系のスポーツモデルだ。
もちろん、スバル製ボクサーエンジンを搭載している86&BRZも主要なターゲット。先代ZC6型BRZに続き、今度は最新のGR86アプライドCをデモカーとして導入し、さっそくポテンシャルアップのチューニングに取り組んでいるのだ。
これまでのデモカーと同様に、GR86でも基本コンセプトとしているのは街乗りでの乗り心地は維持しながら、サーキットでしっかりとタイムが出るマシン。そんな相反する要素を両立させるポイントとなっているのが、スピリットと共同開発で完成したオリジナルの”スペックR”サスペンション。テストしたGR86に装着しているのは、ベストを目指してさらに改良を重ねた新型バルブ採用タイプだ。
スプリングレートはフロント10kg/mm、リヤ12kg/mm+ヘルパー。受注生産のフルオーダータイプで、減衰特性やスプリングレートの変更も可能。価格は55万4400円からとなっている。
そしてパワー系のチューニング内容は、パワークラフトのEXマニ&リヤマフラーとハイパワーイグニッションコイルによる点火強化という程度。それらのパーツを含め、FA24のポテンシャルを引き出しているのが得意としているオリジナルECUセッティングだ。燃料や点火を始めとした各種マップの最適化はもちろんだが、オートブリッピングやフラットシフト、バブリング機能も追加しているのが特徴。オートクルーズレバーを使って、任意にモード選択できるようになっているのだ。
エンジンルームはほぼノーマルで、吸気系のレイアウトにも変更はない。
連続でのサーキット周回で油温の安定化を図るために、フロントグリル内にはHPI製の空冷式エンジンオイルクーラーを追加している。
ホイールはGR86/BRZをターゲットに開発されたセンターボア径56mmのエンケイNT03RRタイプSS(FR9.0J+48)。タイヤはアドバンA052(FR255/35-18)を装着。ブレーキはパッドをウィンマックスAC3に変更。
インテリアでまず変更されたのはドライバーズシートで、ブリッドのフルバケットタイプXERO CSを選択。現状はステアリングもノーマルで追加のメーター類もなし。もちろん軽量化も一切施されていない状態だ。
インプレッションを担当したのは、レーシングドライバーの飯田章選手。取材当日は本庄サーキットにて44秒500というタイムをマークした。
「まず驚いたのはエンジンのフィーリングで、“GR86のエンジンってこんなにパワーがあったんだっけ?”と思うほど低回転から高回転まで気持ち良く吹け上がる。サスペンションはスペックを聞いてハードなフィーリングを想像していたんだけど、実際は縁石通過時の跳ね返しもなく、軽快感があって乗りやすい特性になっていた。パッケージとしてはレーシングカーに近い完成度で、フレッシュタイヤだったらさらにタイムも伸びるはず」とのこと。
駆動系のセットアップもしっかりと行われていて、LSDはATSのカーボン1.5ウェイを装着。さらに、ORCの超軽量フライホイールと4.5ファイナルの組み合わせで、シャープなアクセルレスポンスと加速を生み出すための選択。代表自らが走り込んで蓄積したデータを生かしたアライメントセッティングも、好タイムを生み出す重要なファクターとなっているのだ。
このGR86で当面の目標としているのは、アドバンA052タイヤ装着で筑波コース2000を1分2秒台。ガレージヤマゴウ流ファインチューンのさらなる進化も楽しみだ。
●問い合わせ:ガレージヤマゴウ 埼玉県入間市下藤沢926-8 TEL:04-2937-3674
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