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老舗セントラル20が手がけた至宝のV36チューンド!
GT28RSツインターボでVQ37VHRを鍛え上げる
このV36スカイラインは、「Zの柳田」の異名をとる柳田春人氏率いる“セントラル20”が手掛けたハイチューン仕様だ。過給機チューニングによって、落ち着いたエクステリアからは想像も付かないレベルのパワーを絞り出しているのだ。
心臓部のVQ37VHRは、アメリカGTM社製のツインターボキットで武装。このキット(現在は販売見合わせ中)には専用のギャレット製GT28RSタービン2基に加えて、各パイピングやEXマニ、インタークーターなどが含まれており、装着に関してはタービン潤滑用のオイルラインを新設することが必要になるくらいで基本的にボルトオンが可能。
一方、キットに含まれないパートとしては、排圧を下げるためのマフラー交換とスポーツ触媒の装着は必須となるものの、たったこれだけのメニューで最大450psを狙えるのだ。
ターボ化にともない、サージタンクへと向かうサクションパイプが変更になる。キット付属のアルミ製サクションパイプには、ブローオフバルブと純正エアフロが流用できるようにアタッチメントが溶接されている。
一体型に見えるインタークーラーだが実は上下で2分割されており、上下で吸気の流れの向きが異なる仕組みになっている。つまり、左バンクに装着されるタービンが右バンクを過給し、右バンクのタービンが左バンクを過給するシステムなのだ。
ターボ化するにあたって排気効率のアップは必須。このマシンはオーナーの希望によって製作されたというワンオフの4本出しマフラーが装着されていた。また、低抵抗が自慢のハイパワーキャタライザーもインストールされ、完全な車検対応仕様を実現している。
元々、油温が上がりやすいVQ系エンジンだけに、エンジンオイルクーラーは是非とも装着したいところ。このスカイラインクーペではフロントグリル内にセントラル20のZ34用をマウント。ちなみに、AT車ならトラブル防止のためにATFクーラーも装着しておくべきだろう。
キットに含まれる燃料系パーツを装着した上で、純正ECUを書き替えて制御する。これまで数多くのVQターボ仕様を手がけてきたセントラル20だけに、セッティングノウハウは豊富だ。
VQ37VHRはターボ化との相性も良く、2500rpmも回っていればアクセルひと踏みでグングン加速していくトルクフルさが魅力。ノーマル+100psものアドバンテージはサーキット走行での大きな武器になるのはもちろんのこと、この強大なトルクはストリートでの乗りやすさも抜群。ノーマルはもちろん、新型スカイラインで話題を集めている「400R」にも負けない力強い加速を楽しむことができる。
ちなみに、タービン単体の容量は1基あたり300psオーバーという実力を持っており、エンジン内部や駆動系までを完全に見直したハイブースト仕様というのも考えられなくもない。しかし、そうなるとコストが何倍にも跳ね上がり、どうしても高回転型の特性になってしまう。そのため、セントラル20はこのV36のように、あえてエンジン内部には手を入れないハイコンプ/ローブースト仕様をベストと判断しているのだ。
●セントラル20 東京都調布市上石原1-32-34 TEL:042-486-4451
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