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RX-8の良さを生かした20B改NAハイコンプ仕様!
弾けるように吹け上がる3ローターNAのフィーリング
NAの13B-MSP型ロータリーエンジンを搭載するRX-8。ボディ剛性やバランスはRX-7を凌ぐと言ってもいいほど、チューニングベースとしての素性も悪くない。しかし、NAの2ローターエンジンは、ハイパワースポーツに慣れ親しんだユーザーには多少物足りなさを感じることは否めない。
「ターボにするっていう選択もありますし、ウチでもデモカーでは悪くない実績を残していますが、やはり元々NAのクルマだけに、NAの持ち味を残して性能を高めたいってお客さんも多いんですよね。かといって、13Bのままポート加工などしたところで低速トルクが削られるし…」とは、ERC代表の大矢さん。
そこで白羽の矢がたったのがコスモの20B。ハイトルクな3ローターエンジンのターボ機関を撤去し、FC3S輸出用のハイコンプローターや3mm厚の2分割強化アペックスシールを組み込んで、MAX360psのハイレスポンスなNAユニットを創出するプランを考案。ミッション位置で合わせても、20Bエンジン搭載位置はかなり後方になるためバランスは悪くない。
ステアリング機構は電動からFD3Sの油圧式に変更。点火系も当然20Bのシステムを換装し、F-CON Vプロで制御。ロータリーエンジンは失火により重大なダメージを負うケースもあるため、トラブルや劣化には注意したい。
クーリングチューンも徹底。スポーツ走行を前提にデフクーラーを装備し、さらにエンジンオイルに対しても2機のHPIオイルクーラーを追加している。
インテリアはステアリングが交換されている程度で、極めて普通のストリートカー。メーターはCAN通信による制御の関係で純正が動かなくなるため、メーターパネルには社外のメーターが組み込まれる。
足回りは、JIC車高調+スウィフトスプリング(F16kg/mm R10kg/mm)を導入した上で、アーム類はフルピロ化済みだ。デフはクスコの機械式LSD(2WAY)を導入して、サーキット走行時の旋回性能に磨きをかける。
ブレーキはフロントがブレンボ6ポット+355mmローター、リヤが純正キャリパー+355mmローターという組み合わせでそれぞれ強化。サーキット走行でも根を上げない絶大なストッピングパワーを手にした。
排気ガス規制の世代が異なるため、公認車検を取るためには10.15モードの排気ガス試験を受け、基準値をクリアしなくてはならないなどハードルはあるが、大矢さんいわく、新たな定番メニューにしたいくらい3ローターNAのRX-8は乗りやすくフィーリングも良いとのこと。RX-8オーナーならずとも、魅力を感じるチューンドだろう。
●取材協力:ERC 埼玉県朝霞市上内間木310-5(ファクトリー) TEL:048-456-3627
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