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“走れるシャコタン”の究極形態!
ノーマルフェンダーで魅せるディープスタイル
ECUチューンの第一人者“G.Tワークス”のスタッフとして日々、汗を流している鐘ケ江さん。愛車のNA型ロードスターは今から8年前、学生時代に手に入れたもので、腹下スレスレの低さはインパクト抜群だ。
「自動車科がある大学だったのに、なぜか整備士の資格取得に役立つ授業がなくて、すぐに辞めちゃいました(笑) それからはこのクルマが教科書代わり。ネットで調べたり仲間内で情報交換したりしながら、自分であれこれイジってきました」とは鐘ケ江さん。
その言葉通り、ノーマルフェンダーキープの“生足”ベタ落ち仕様の足回りは、我流の技を駆使しつつコツコツと仕上げてきた苦心作だ。細部をチェックしていく。
フロントサスペンション
車高調はクスコで、スプリングにはスウィフトの30kg/mmを組む。セッティングはストロークを規制する方向性だ。
ロードスターはロワボールジョイントとアームが別体構造となっている。この特徴を利用して、ジョイント側を5mm延長させるケンオートのアイテムで2度のネガティブキャンバー角を稼いでいる。ナックル側の角度が下がることで、ロールセンターを適正化させる効果も狙える。
アッパーマウントは、ストロークアップタイプの形状を持つクスコ製リヤ用を転用。この他、エンジンマウントにはワッシャーを挟んで底上げ対策も実施する。
9.5Jリムに対し195/45R15サイズのタイヤを思い切り引っ張り、アウトリップで履きこなす。「NAロードスターってリヤに対しフロントの懐が深いので、同じインセットで揃えるとツラウチになっちゃうんです」という理由から、フロントのみ8mmのスペーサーを使用してゼロセット状態に持ってきている。
15インチのワークエモーションRS11(FR9.5J+8)は「特別なお出かけ用」。普段は、ホワイトリボン+ムーンディスクの14インチというネオクラシカルな仕様で乗っているそうだ。雰囲気は全く異なるが、このノリも確かにアリだ。
リヤサスペンション
車高調はフロント同様にクスコで、スプリングにはスウィフトの28kg/mmをセット。スタビライザーは撤去している。
ローダウンを進めて行く上でネックとなるのが、アッパーアームとフレームとの干渉。この対策のため、フレームの一部をCノッチ風(赤く囲んだ部分)にカット。ストローク時のアームの逃げを作っている。
アッパーマウントは、ロードスター仲間を通じて知り合った某職人が手作りした70mm延長タイプ。その他、バンプラバーは強化品でも徐々に潰れていってしまうため、住宅用ゴムを加工して使用。
ダブルウィッシュボーンの足回りがもたらすナチュラルキャンバーも、鐘ヶ江さんのお気に入り。「ハードトップ装着のフォルムがベスト」として幌は撤去している。
その他の注目ポイント
NAロードスターのアイキャッチとなっているリトラクタブルヘッドライトの機能を活かし、ワンタッチで半目(懐かしい!)や片側だけをライズアップしてウインク状態にできる自作の開閉スイッチを追加。
エアロパーツは、ジェットストリームのフロントリップ/リヤスポイラー/アンダーディフューザーに、トヨシマクラフトのサイドステップを装備。ボディはホンダ純正ブルーで全塗装している。
また、このクルマはNA8の初期型だが、エンジンはレスポンスアップが図られたシリーズ2用に換え、駆動系もNB8用6速MTと4.3ファイナルギヤに換装。街乗りはもちろん、ミニサーキットでのスポーツ走行も楽しんでいる。
「ロワードの見せ方には色んなセオリーがあるみたいですけど、特にUSを意識しているわけでもないですし、これからも自分流に拘っていきたいですね」。
ロードスター以外のクルマには興味がない…とキッパリ言い切る鐘ケ江さん。独自スタイル作りの道は、まだまだ続きそうだ。
●取材協力:G.Tワークス 大分県大分市横瀬500 TEL:097-541-5228
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