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パイプフレーム化してでも極低フォルムに拘る!
脱着式フロントカウルの下にはフルチューンエンジンが収まる
奇抜で激しいカスタムカーにはいつも驚かされるが、ここまでぶっ飛んだ仕様はそうそうお目にかかれないだろう。というより、ジックリと各部を見てもベース車両が分からない…。
それもそのはず、この正体不明の魔改造マシンはエクステリアの90パーセント以上に手が入れられており、ベース車両の部分はピラーとガラスくらいしか残されていないのだ。
それでは正解発表といこうか。このマシンのベースはホンダのEJ1シビック! 低さとルックスを徹底追求していたら、知らぬ間にこうなっていたとのこと。
ここまでカスタム度が高いと“置きイベント”専用のショーカーのように感じるが、じつは通勤から全開走行までこなしてしまうバリバリのストリートスペック。この地を這うような車高で、ガンガン走っているというから驚かされる。
極低フォルムへの執念は凄まじく、ボディはレーシングカーばりのメイキングが敢行されていたりする。まずフロントから。車高を限界まで落とすとタイヤ&アッパーアームが干渉してしまうため、タイヤハウスは大胆にカット。そして、セミパイプフレーム化でストラットタワー位置を約40mmも上げ、サスペンションストロークを確保。
なお、個性的なホイールはジュノーLux(F19×8.0J R20×9.0J)で、タイヤはナンカンのNS-2(F215/35-19 R225/35-20)をセットする。
リヤセクションも、タイヤハウスとフロアの一部をカットしてセミパイプフレーム化。究極の車高を実現するために、フロント同様にストラットタワーを約60mmアップした。ルーフから伸びるダクトは、トランクに移設したエアコンコンデンサーの冷却用。ルーフエンドに取り付けられたGDB純正ダクトから外気を取り入れる。
エクステリアメイクも凄まじい。フロントは、レガシィのヘッドライト移植でフェイスリフト。FRPで一体成形したフロントカウルは、フロントバンパー下側部分だけボディ側に残る仕組みになっている。ヘッドライト間にある四角い出っ張りは、ノーズを下げたことによるラジエターアッパータンクの逃げだ。
フェラーリを意識したという巨大なサイドダクトや、リヤのブリスターフェンダーはFRPでワンオフ製作。注目なのはダクトの凹み部分で、一度ドアをカットして約30mm程度奥にヘコませているのだ。
フロントのみならず、リヤにもギミックを搭載。それが横方向にチルトアップするトランク。細かいところにも目を光らせ、「フロントにあると見えた時にダサイ」という理由から、トランク底面をカットしてエアコンコンデンサーを移設し、水平にマウント。テールランプはフロントの涙目に合わせてGDB用を移植して、リヤはブリスターフェンダーで約200mmもワイド化されている。
一方の室内は、EK9用ダッシュボードを軸に構築。配線加工で純正メーターもしっかりと機能する。お約束の追加モニターもセットし、オーディオは5.1chサラウンドシステムを搭載。過激なボディワークとは裏腹に、コクピットはエアコンも効く快適仕様だ。
そうした内外装のカスタムに負けじと、エンジンはハイコンプ化したB20Bユニットを換装。素の状態でも250psを発生させているが、モアパワーを求めてNX(NOS)のダイレクトポートを2ステージでセット。噴射時には300psを絞り出す。
見所が多すぎて困惑するくらいでだが、これらのボディワークは全てオーナー自らの手で行なったというからハンパではない。ともあれ、理想を求めて我が道を突き進むオーナーのカスタム魂には感服だ。