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計算し尽くされたパーツチョイスとセットアップ!
シンプルな佇まいに凝縮された「カッコ良さ」
Z33ロードスターをベースにしたUSDM仕様の登場だ。USDM仕様とは、アメリカ的センスを取り入れながら日本人が製作したジャパニーズチューンドの意。
具体的には、日本車を好むアメリカ人が日本のチューニングカーを参考にして、アレンジを加えつつ仕上げてくスタイルをJDM仕様と呼ぶ。その日本人にはない独特のセンスをリスペクトして日本で作られたスタイルがUSDM仕様だ。言わば、カスタム文化の逆輸入である。
両者に共通して言えることは、カッコ良いものを追い求め、アンテナを海外まで伸ばす視野の広さを持っているということ。すなわち「日本製パーツじゃないとNG」や「アメリカ製パーツだから良い」など、そういった縛りは本来存在しない。もちろん、USマーカーやフェンダーウインカーのスムージングなどはカッコ良いと思うし、自分の解釈で自由に取捨択一することが重要とも言える。
このZ33も、トータルでのカッコ良さを追求した結果、あえてJDM仕様の要素を多く残していたりもする。なお、近年のJDM仕様はシンプルメイクが流行しており、こちらの車両もエアロはニスモバンパーのみとなる。キーとなるカラーリングは、NC型ロードスターのサンフラワーイエローをベースにアレンジした特別色だ。
重要なホイールは19インチのワークM1Rでフロント10.5J、リヤ11.5Jでインストール。ヘラフラッシュとも呼ばれる、このツラ具合がUS感を象徴するポイントのひとつ。なお、この車高でもスポーツ性を重視してKWバージョン2のハイエンド車高調を組む。
M1Rの隙間から覗くキャリパーは、Z34のアケボノ製を流用。「曙」の文字とオレンジのペイントが現地のJDMフリークを匂わせる仕上がりだ。
ミラーには北米仕様のロゴが入る。また、北米仕様には存在しないサイドマーカーはスムージングする事で対処している。
ホイールアーチのステッカーや、ブラックアウトされたヘッドライトなど、メリハリのある配色がこのクルマの印象を決定付けている。こういったセンスが明暗を分けるポイントなのだろう。
シートは他グレードの純正品を流用。ルーフを開けた際に、いかにカッコ良く見えるか試行錯誤した結果だという。一度社外のフルバケを入れたが、見え方が気に入らずすぐに取り外したほどの凝りようだ。
シンプルなメイキングだが、実は全てのパートが計算されたパーツチョイスとセットアップで構築されたZ33ロードスター。見事としか言いようがないクォリティだ。