ボルトオンターボで183.6馬力を発揮するスイスポの戦闘力!

ZC33Sの底が見えないポテンシャルの高さを確認

タイムアタックを通じて得たノウハウを、ZC33Sチューニングパーツ開発にフィードバックしてきた“ブリッツ”。吸排気系はもちろん、車高調、エアロパーツ、タービンなど、今や無いパーツを探す方が難しいほどの充実ぶりだ。

そんな同社が一貫して拘ってきたのは、合法ストリートスペックだ。オリジナルのエアロスピードR-CONCEPTをまとい、派手なグラフィックが入ったZC33Sデモカーも実は市販パーツのみで製作されている。

さらに驚きなのは、そうした“誰にでも真似できる仕様”にも関わらず、筑波サーキットで1分3秒台という好タイムを記録していること。これは2.0Lターボを追い回せるほどの速さ…と言えば、そのポテンシャルの高さが想像できるはず。マシンメイクを覗いていく。

まずエンジン本体は、得意のターボチューニングでパワーを増強。軸となるのは、MHI製ベースの3544SWT-220Vタービンだ。

完全なポン付けタイプなのだが、社内テストではノーマル比35psアップとなる183.6psを実現。専用データ入りのECUセットが22万8000円と、費用対効果は抜群のキットと言える。ちなみにECUは各種リミッターも引き上げられている。

これがテスト時のパワーグラフだ。青線と緑破線がノーマル、赤線とオレンジ破線がタービン交換仕様となる。純正タービンに対してブリッツ製タービンは、中~高回転域でパワーとトルクとも伸び続け、大きな差を生み出しているのが分かる。

なお、それぞれブースト圧のピーク値は、ノーマルが0.9キロ、タービン交換が1.3キロとなっている。ブースト圧の安定値はノーマルが0.7キロ、ブリッツタービンが0.9キロ(燃料系飽和のため)だ。

ヒート傾向が強いZC33Sのパワーを安定発揮させるべく、コストパフォーマンスに優れるドロンカップ式12段コア採用のオイルクーラーキット(7万5000円)やレーシングラジエターZC(5万4000円)など、冷却系の強化パーツも充実させている。

増大したパワーを受け止める足回りは、全長調整式サスペンションと電子制御式の減衰力機能を組み合わせた新世代の車高調キット「ダンパーZZ-RスペックDSC+」を軸にセットアップ。バネレートはF5kg/mm、R3kg/mmの設定だ。

また、フロントのロアブラケットを変更することで、プラス5度のネガティブキャンバーを作れるZZ-Rダンパーのオプションパーツ「ミラクルキャンバーアジャスター」もインストール。コーナーリング時のトラクションを最大限に確保するためのチューニングだ。

ホイールはエンケイスポーツRC-T5の17インチ(F8.5J+48 R7.5J+48)、タイヤにはディレッツァZIIIスタースペック(F235/45 R205/45)を組み合わせる。

今回は、このチューンドZC33Sの性能を探るために高速周回路でのテストを敢行。結果は強烈で、バンクを210km/hオーバーで旋回し、そのまま加速を続け、219.20km/hまで最高速を伸ばしたのである。

ブリッツの目標は220キロオーバーだったようだが、1.4Lという小排気量ターボでこのリザルトは正直言って異常。ZC33Sというクルマのポテンシャルの高さを十分に示したと言える。

●取材協力:ブリッツ TEL:0422-60-2277

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