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走行41万キロのBL5、エンジン内部の状況は!?
定期メンテナンスの重要性を再確認させられる結果!
パーツ精度や設計技術の進歩により国産車の耐用年数はどんどん伸びて、走行距離10万km超えのクルマなど今や珍しい存在では無くなっているとはいうものの、ここで紹介するBL5型レガシィの走行距離を聞いて驚かない人はいないはず。オドメーターに表示されているのは、なんと“409818(取材時)”。約41万キロ!? もはやタクシーレベル、異常である。
恐らく世界最多走行距離のBL5型レガシィGTは、お馴染みの“カーステーションマルシェ”にて発見したもの。聞けば、オーナーは新潟県にお住まいの方で、2005年にディーラーの試乗車だったものを中古車として入手。購入時の走行距離は1800km。以降、15年間で40万キロ超えを達成した。ちなみに、現在もメインカーとして、毎日の通勤や趣味のドライブに使用されているという。
今回入庫した目的は、今後も快調に乗り続けるためのオーバーホール依頼。メインとなる作業はエンジンで、完全分解の後、ブロックを再使用してEJ25クランク、HKS製鍛造ピストン、VAB純正コンロッドを組み込んだ2.2L化を実施することになった。
やはり気になるのは、約41万kmを走り切ったエンジンの中身。完全分解された各パーツをチェックしてみると、これまた驚くほどにダメージが無かったことが判明した。
ピストントップはカーボンの堆積はあったものの、リングなどには異常なし。それでも多少は首振りをしていたようでスカート部分に筋状のアタリは入っている。しかしこの程度は通常の範囲と、作業を担当したメカニックは解説してくれた。
クランクシャフトやコンロッドは、メタルと呼ばれるベアリング類へのダメージが心配されたが、走行距離からすれば上々のコンディション。エンジンの前後方向の動きを抑えるスラストメタルには若干接触痕が認められたものの、これはEJ20エンジンでは特有の症状だという。
ヘッドの吸排気バルブもご覧の通りで、カーボンの蓄積はあったものの、ステムの曲がりもなく洗浄すれば再使用できるレベル。AT仕様を考慮して、新エンジンではGRB型WRX STIのノーマルカムを組み込んで、トルク重視のセッティングを目指していくそうだ。
今回、最も消耗が認められたのがタービンで、経年変化によりコンプレッサーブレードのハウジングとのクリアランスが若干広がっていた。もちろんトラブルというほどではないが、この状態では充填効率が低下し、ブーストの立ち上がりや最大ブーストに影響を及ぼす可能性もある。オーバーホールも可能だが、今回はコンプレッサー側容量の大きいS402タービンを流用することになった。
足回りやボディのチェックも行われたが、こちらはさすがに新車からそのままというわけではない。新潟県のオーナーということで、やはり融雪剤によるダメージは大きく、5年前にはリヤメンバーとスタビリンク、ブッシュ類を交換。エンジンマウントも25万km時にGDB用のSTI製に交換済み。今回はサビでボロボロになっていたブレーキローターのバックプレートを交換するだけでOKとなった。
さすがのマルシェも、40万キロオーバーのEJ20エンジンを開けるのは初めてということで、その状態は興味津々であったが、いざ蓋を開けてみると意外なほどにダメージはなかった。
その理由は、エンジンオイル交換(10W-60を1万キロ毎にかかさず交換)をはじめとする定期メンテナンスを、オーナーがしっかりと行っていた結果と言えるだろう。これからも大切に乗り続けて、ぜひとも100万キロを目指して頂きたい!
PHOTO&REPORT:川崎英俊
●取材協力:カーステーション マルシェ 群馬県前橋市亀里町1224 TEL:0247-265-6789
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カーステーションマルシェ
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