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2.6Lのままで2.8L並のトルク特性を生み出す老舗の技
2500rpm〜9000rpmまで使える!?
エンジョイサーキット仕様として福岡県の“リバーテック”で製作されたBCNR33。このチューンドの注目ポイントはパワー特性。上フリのピーキーな味付けではなく、どこから踏んでもレスポンスよく加速する低中速重視で仕上げられているのが特徴だ。
エンジンは最大ブースト圧1.7キロ時に650psを発生させるGT2530ツインターボ仕様。排気量こそ2.6Lのままとされているが、クロワーのフルカウンタークランクにアペックスのピストン、HKSのコンロッドで内部を強化している。制御はHKSのF-CON Vプロによるものだ。
吸気系はリバーテック製の高効率サージタンクを装着し、純正の6スロからインフィニティの90φシングルスロットルへ変更。これはブーストのインターセプトを下げるための策で「タービンが1000rpmくらい低回転で回り始めるので、2.8L化したかのような下からパワーが湧き上がる特性になリますよ」とは、リバーテック川崎代表。
さらに燃焼室の加工やポート研磨を行いハイブーストに対応させた上で、280度のハイカムを投入して高回転域の伸びを補う。これにより2500〜9000rpmまでパワーが持続するワイドレンジの特性が完成するのだ。
サスペンションはアラゴスタ車高調で、フロントに16kg/mm、リヤに14kg/mmというややハイレートなメルヴェスプリングを組み合わせている。ブレーキはフロントがapレーシング製6POTキャリパーとグラット製ブレーキパッドのコンビ。リヤは純正キャリパーだが、PFC製パッドで前後バランスを調整する。
ホイールはサーキットユースの定番、ボルクレーシングTE37(10.5J×18)を装着。タイヤはハンコック製SタイヤであるヴェンタスTDの295/30R18サイズだ。
ミッションはBNR34純正のゲドラグ6速を流用。ファイナルはBCNR33純正の4.111のままのため、BNR34純正の3.545と比べてローギヤード化されるところがポイントだ。
インプレッションを担当したレーシングドライバーの佐々木雅弘選手は「上も下もパワーがあって、ノーマル以上に扱いやすいエンジンに仕上がってる。エンジンレスポンスは抜群だし、足回りのバランスも良好。トータルバランスに優れてるから、本気でサーキットアタックしても結構なタイムが出ると思う」とコメント。
回転数を意識せずとも立ち上がる分厚いトルク特性が、ストリートからサーキットまで軽快に走れる万能性に大きく寄与しているのだ。
●取材協力:リバーテック 福岡県郡那珂川市後野2-7-16 TEL:092-954-3040
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