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サーキットから公道までナンバーワンを目指した黄色い弾丸
仕様変更を経て辿り着いた13Bサイド拡大+TD07-25Gというパッケージ
関西のチューニングカー乗りで知らぬ者はいない名門「オートセレクト」。これまで数々のスーパーチューンドを生み出してきた同社だが、今回紹介する鮮やかなイエローでオールペンされたFD3Sもそこに名を連ねる一台だ。かつて、西日本のサーキットおよびストリートで圧倒的な速さを誇った“イエローイーグル”号である。
パワーユニットは幾度となく仕様変更が繰り返され、最終的にはオートセレクトオリジナルのサイドポート拡大加工という耐久性重視の仕様に落ち着いた。
タービンは、長い間T88-34Dを使い続けていたが、ピックアップを求めてTD07-25Gへと風量ダウン。独自のポートチューンと組み合わせることで、8000rpmまでイッキに吹け上がるパフォーマンスを手にしている。ブースト圧は、スクランブル1.15キロで約450psを発生するが、常用は1.0キロで約400psとやや控え目な設定だ。
足回りは、シルコレーンスペシャルブレンドオイル+アルミシェルケースを採用した減衰力30段調整式のダンパーに、信頼性の高いアイバッハのスプリング(F17.5kg/mm R20kg/mm)を組み合わせたオリジナルの“湾岸サスキット”を軸に構築。リヤ側を積極的にストロークさせ、路面追従性を高めるセットアップが施されている。ブッシュ類はフルピロ化され、トーコンはキャンセル。LSDはOS技研スーパーロックLSDを奢る。
ブレーキはフロントにブレンボF40キャリパーと340mmローターをセット。リヤは純正キャリパーとスリット加工を施した純正ローターの組み合わせというフロント重視のブレーキシステム。このため、初期制動力よりコントローラブルなパッドを採用し、なおかつブレーキバランサーでリヤの効き具合を調整している。
剛性アップチューンも徹底。各ポイントにリベットを打ち込み、ロールケージもリヤストラットを起点にバーを伸ばしてハッチバック車の弱点であるリヤ周辺の剛性不足を補っている。室内はヒーターのみ残して快適装備はフル撤去、ミッションは確実なシフトワークを約束してくれるトラストの6速ドグだ。
軽量化に関しては、ドライカーボンやチタンといった高級マテリアルはもちろん、FRPやアクリルまで使用して1100kgを切る車重を実現。また、オリジナルのカーボンWウイングで2枚のフラップを個別に角度調整し、強力なダウンフォースを発生させている。
イエローイーグル号の速さは凄まじく、数々のチューニングカーレースで優勝を飾っただけでなく、かつて東名高速で行われたキャノンボールでも大差をつけて優勝したほど(気になる方はDVDで!)。まさに伝説のセブンなのである。(OPTION誌2009年8月号より)
●取材協力:オートセレクト 大阪府堺市美原区丹上221-5 TEL:072-363-0383
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