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ロトレックス仕様で500馬力オーバーを達成したレクサスLS460
高級車らしい美観と高出力を両立!
シルバーで統一されたエンジンルームに鎮座するロトレックスのスーパーチャージャーが特徴的なレクサスLS460。“パワーLLC.(元パワーエンタープライズ)”が製作した4代目の後期型モデルだ。
「元々、前期〜中期型に対応するスーパーチャージャーキットを出していたんですが、お客様から“後期型に付けて欲しい”という依頼が来まして。多少の加工は必要でしたが、スーパーチャージャーを装着したことによるECUの不用意な介入などもなく、前期型や中期型と同じような感覚で取り付けできましたね」と、パワーLLC.の開発スタッフが製作の経緯を話す。
1UR-FSEエンジン本体はノーマルのまま、ロトレックス製のスーパーチャージャーとしては最大サイズのC38-91を装着。エンジンの圧縮比を変えていないため、ブースト圧は0.4キロと控えめだが、それでも約520psのパワーを絞り出す事に成功。なお、ブースト圧はプーリー比で、点火時期や燃調はパワーLLC.のP-MAPによって調整している。
また、スーパーチャージャーは常時過給のリリーフ制御があるため圧縮された吸気の熱が蓄積しやすい。そのため、吸入空気を冷やすインタークーラーの性能がターボ車以上に出力に影響する。このLS460ではARC製のインタークーラーを導入している。
「ロトレックスのスーパーチャージャーはレスポンスも良いですし、高速道路でアクセルを踏み込んだ瞬間などに明らかなトルクの違いを感じます。結構、上まで回るエンジン特性に仕上がっていますしね」とは前出のスタッフ。
エンジンのパワーアップを音でも表現しようと、オーナーの拘りを受けて製作された60φデュアルのチタンマフラーも見所のひとつだ。曲げは全てエビ管が使用される凝った作りで、途中でデュアル部分を干渉させ、V8ならではのエキゾーストノートが響くように仕上がっている。
エクステリアにも手が入る。エアロパーツはオーナーの好みによってチョイスされたブラックパールコンプリート製で、フロントバンパーのリップ部分には加工が施され、独自のデザインに変更されている。
ホイールは細いスポークと深いコンケイブが特徴的なVOSSEN(F9.5J×22+20 R10.5J×22+20)をチョイス。ダクトがデザインされたフロントフェンダーはアーティシャンスピリッツ製。ブレーキはブレンボの6ポッドキャリパーと380mmローターを装着して2トンオーバーの車重に対応している。
一方の足回りは、純正エアサスでは心許ないため、エアランナー社製のエアサスに変更。そのスイッチ類はセンターコンソール内に隠されている。車高が上下できるだけでなく、サスペンション性能もスポーティな仕上がりになり、高速道路などでのレーンチェンジもスムーズになるという。
そう、単純にスーパーチャージャーキットを装着するだけでなく、音質やルックスなどオーナーの拘りが随所に見られる所もこのLS460の特徴なのだ。メルセデスAMGやBMWのMにも負けない戦闘力とアピアランス。個性的なパーツチョイスでありながらも、速さと実用性に優れるスーパーツアラーに仕上げられているというわけだ。
●取材協力:POWER LLC. (パワー合同会社) 静岡県富士市森島197-3 TEL:0545-30-9111
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