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ツインカムヘッドのL型が時代を超えて蘇る
OS技研の技術力を知らしめた伝説の名機
チューニングパーツメーカーとして長い歴史を持つ“OS技研”だが、その中でも忘れてはならないのが1980年に発表されたL型ベースのDOHC24バルブエンジン「TC24-B1」だ。
昭和51年式のS31Zをベースに製作されたこのチューンドは、そんな「TC24-B1」の後継にあたる「TC24-B1Z(限定受注生産/570万円)」の開発車両。
なお、このTC24-B1Zはただの復刻版ではなく「今ならできること」を盛り込んでリメイクされたバージョンアップモデルだ。開発を指揮したOS技研の創業者・岡崎氏によると、ロスを削り高回転化すれば3.2L仕様で450ps以上の出力を引き出すことが可能だという。
実際にこの車両に与えられているのは、JCCA(日本クラシックカー協会)のレギュレーションに合わせるカタチで、L24ベースでボア&ストロークを拡大したDOHC24バルブの3136cc仕様(380ps/38kgm)となる。燃料の供給はウェーバーのキャブレターだ。
デスビもOS技研のオリジナル。この製品は固定進角の純正品とは異なり、独自の機構で点火タイミングを最適化する進角装置を搭載していることがハイライト。始動性や高回転の吹け上がりを大幅に高めることが可能なのだ。さらに、センサー類も最先端のスペックを備えており、実用性の面においても純正品とは一線を画す仕上がりを誇る。
足回りは渡海自動車のトレースダンパー、マナティーレーシングのアーム類などを投入。ホイールはボルクレーシングTE37V、タイヤはアドバンネオバAD08R(F235/45R17 R255/40-17)の組み合わせだ。S30Zの新車当時の基準では考えられないほどのグリップ力を誇るタイヤだけに、それに合わせたスタビリティを持つセットアップとされている。
ミッションもレギュレーションに合わせ、純正ケースをベースとしたOS技研製のHパターンにクロスギヤを組み込んだ。クラッチはテスト品のカーボンツイン、デフにはスーパーロックLSDを1.5WAYにセットして搭載している。ファイナルギヤは4.111:1だ。
シンプルながらスパルタンに仕上げられたコクピット。ロールケージはダッシュ貫通タイプで、Aピラーに接続されるガゼットプレートはもちろん溶接だ。
「TC24-B1Z復刻の反響は我々の想像以上でした。570万円もする高価なユニットですが、現在は生産が追いつかず受注停止中です。S30Zに関しては、今後も補機類や駆動系パーツなどを開発していきますのでご期待ください」とはOS技研の何森社長。
“無いモノは造れ”というコンセプトの元、高性能な製品を展開し続けるOS技研。このS30Zはその精神を体現したスーパーチューンドと言えるだろう。
●取材協力:オーエス技研 岡山県岡山市中区沖元464 TEL:086-277-6609
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