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13B-NA+ハルテック制御で240馬力を発揮!
サーキットマシンとして仕上げられたロータリーNA8C
NSX純正色のニューイモラオレンジが眩しいこのロードスターは、オーナーが29年間に渡ってモディファイを行なってきた仰天系チューンド。サーキット走行を前提に、ほぼ全てのパートに手が加えられたフルチューンスペックだ。
ガレージベリー製のアイテムを中心に構成された攻撃的なルックスに目を奪われるが、実はこのクルマにおける一番のポイントはずばり中身、パワーユニットだ。
ベースはNA8Cだが、搭載されているエンジンはBP-ZEではなく13B型のロータリーエンジン。FC3S輸出用の高圧縮ローターを使ったサイドポート拡大&ハイコンプのNA仕様で、吸気はハイレスポンスを狙ってスポーツインジェクション化されているのだ。
また、左フロントストラット周りを見ると分かるが、エンジンルームは現在スムージングを進めている真っ最中。サーキット仕様ではあるもののショーカー的な要素も追求したマシンメイクが施されている。
マネージメントにはフルコンのハルテックを採用。綿密な制御を行い、NAながら240馬力を発生させている。
フロントフェンダーは20mmワイドの社外品を装着し、それに合わせてリヤフェンダーも叩き出しによるワイド化を敢行。ホイールは前後とも15インチのXXR製527(FR8.25Jプラマイ0)で、タイヤにはトーヨーのR1Rを組み合わせる。
足回りはアラゴスタの特注車高調(F16kg/mm R12kg/mm)を軸に構築、リニアさを追求して各ブッシュ類は全てピロ化済みだ。
コクピット周りは純正メーターを排し、ピボットのメーターを用いて完全にリメイク。戦闘機のようにスイッチ&計器類が配備されたコンソールパネルも特徴的だ。
ミッションはベルハウジングのみSA22C用を使って純正5速をドッキング。サイドブレーキの前方に確認できるレバーは、走りの幅を広げるために導入されたウィルウッド製ブレーキバランサーだ。ちなみにブレーキはフロントにFD用のフロント、リヤにFC用のリヤキャリパーをセットしている。
特殊なレイアウトで構成されたロールケージは、クスコ製のリヤ3点式をベースにワンオフでAピラーまでバーを這わせた一点物。オープンにした際に開放感を損なわない形状を狙ったのだ。
元々はフルノーマルの状態で購入し、エアロパーツを付け始めたところからカスタムが止まらなくなったというオーナー。29年間という所有歴にも驚かされるが、それを感じさせない美しさとツボを押さえたメイキングは素晴らしいの一言。まだまだ道半ばと語るオーナーのロードスターライフは、これからも続いていくのだろう。
PHOTO:土屋勇人(HAYATO Tsuchiya)