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魅せるだけでなく拘りの2.2Lメカチューンで走りも磨く
脱定番の海外パーツで独自スタイルを構築
このトミ・マキネンエディションは、オーナーとS&Aオートクリエイトが二人三脚でじっくりと仕上げてきた1台だ。メインステージとなる富士スピードウェイでの速さとスタイルアップの両立を目指し、細部に至るまで徹底的に拘りが詰め込まれている。
何と言っても、圧巻なのはシェイブドベイ&ワイヤータックが施された超美麗エンジンルーム。各パネルはスムージングされ、配線類も見えないようにレイアウトを変更。エンジン単体を際立たせる究極のドレスアップ術が展開されているのだ。
ビレットのヘッドカバーが印象的な4G63本体にもキッチリと手が入る。腰下は、オーストラリアのニットーパフォーマンス製キットで2.2L化。クランクには、F1からフィードバックされた表面処理“デュラフィニッシュ”が施され、圧倒的な低フリクションと熱の発生を抑える効果を発揮する。
ヘッドのポート部もS&Aが拘った部分。吸排気の理想的な効率を求めて、フローテストを繰り返しながら、バルブポートを埋めて削り直している。インテーク側はバルブの全周から吸入するように、エキゾースト側は拡大して抜けの良さを追求している。
こうしてセットアップされたエンジンに組み合わせるタービンは、ツインスクロールタイプのEFR8374。選択に当たってはフローマップをチェックし、高回転域のパワーだけでなく低回転側のフローがしっかりある立ち上がり特性も重視している。EXマニは強度の高いフルレースのツインウエストゲート仕様だ。
バフ掛け仕上げのサージタンクと67φスロットルボディは、オーストラリアのインテーク専門メーカーPLAZMAMAN製。インジェクターはインジェクターダイナミクスの1050ccを奢る。
ラジエターはサード製を前方に移設して、ワンオフのコアサポート内に隠す。その他、冷却系はARCインタークーラーと2機のオイルクーラー、パワステクーラーを装備している。
マネージメントはパワーFCによるDジェトロ(エアフロレス)制御を採用。最高出力は500ps&45kgmだ。
「強度のある重いパーツをいかに軽く回すかに拘って、5.0LクラスのNAのようなフラットトルクを目指しているのがこの仕様です。4G63でポイントとなるのは、ラッシュは生かして、バランサーは殺すこと。エンジン性能が出ていれば、セッティングも楽に決まるもんですよ」とはS&Aの中戸川さん。
一方の足回りは、PCR製の車高調でセットアップ。スプリングレートはセット荷重で選んでいるそうだ。フロントナックルは肉厚で高剛性なランエボ8純正に変更。ブッシュ類もピロボール化されている。
ミッションはランエボ8用の6速タイプに変更。クラッチはミッション保護を考慮して、ATS製のカーボントリプルを選択。その他、駆動系では前後のカーボンLSDは目一杯イニシャルを高めているのが特徴と言える。
ホイールはバラマンディのイレブン(F9.5J×17+28 R9.5J×17+22)で、タイヤにはディレッツァZIIスタースペック(255/40-17)をセット。ブレーキは前後にAPレーシングのキット(F6ポットキャリパー+330mmローター R4ポットキャリパー+330mmローター)を組み込む。
インテリアは、7点式ロールケージとナルディクラシックの330mmステアリングでスパルタンかつ上品にコーディネイト。シートはレカロのフルバケを左右に装備する。
エアロパーツはバリスのフロントバンパーに合わせてフェンダーを前後20mmワイド化。リヤにはボルテックスのGTウイングをセットする。
吟味された海外製パーツを組み合わせて仕上げられた美しきランエボ、非常に魅力的だ。
●取材協力:S&Aオートクリエイト 神奈川県平塚市西八幡4-7-7 TEL:0463-23-8191
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S&Aオートクリエイト
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