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最新が最良であることを証明するチューニング
谷田部時代から第二世代GT-Rチューニングを追いかけ続けてきたカンサイサービスが、巷でトレンドになりつつあるR35GT-Rエアフロ流用を軸としたメニューを独自に研究。代表の向井さんはこれを一言で「デジタル化」と語る。その真意とは?
エアフロメーターをR35GT-R化する意味
「このチューニングは、アナログをデジタルにするようなものなんです」。
RB26チューンの新定番になりつつあるR35GT-Rエアフロ流用技を、カンサイサービス向井代表はこう比喩する。
第二世代GT-Rのエアフロはホットワイヤー式だ。吸気量の測定はケース内に突き出した電熱線で行うわけだが、吸気の吹き返しによるストール症状や湿度変化による測定誤差など問題が多い上、経年劣化からセンサー自体の故障も急増している。
一方のR35GT-R用は最新のホットフィルム式。ホットワイヤー式のネガがほぼ消えているだけでなく、測定精度も大幅に向上しているのだ。
エアフロメーター比較
BNR32〜BNR34純正(ホットワイヤー式)
R35純正(ホットフィルム式)
「許容馬力で見ると、470〜480psで5V張り付き状態になるRB26エアフロに対して、R35GT-Rのエアフロはパイプ内径次第で800psオーバーも対応可能。あと、メーター自体が高性能化しとるから、より細かく正確に制御することもできますしね(VQマップの構築が前提)」と向井代表。
制御ツールは高性能フルコン一択
エンジンマネージメントに関しては、カンサイサービスではF-CON Vプロを推奨。その理由を向井代表は「32×32スケールの広いベースマップと、“これでもか!”と言わんばかりに充実した補正項目は、あらゆる面で武器になります。純正CPチューンも悪くないんですけど、いかんせん全てが古い。せっかく高性能なエアフロを使うんだし、制御ツールもそれに合わせて高性能タイプを使った方が良いですよね」と語る。
続けて「VプロはエアフロレスのDジェトロが一般的やけど、Lジェトロ制御でも効果を発揮してくれます。というか、BNR34でVプロのDジェトロ仕様とR35エアフロを使ったLジェトロ仕様を比べた場合、馬力は変わらないけどLジェトロの方が若干アクセルのツキが良かったんです。これには驚きました」。
インジェクターも進化させるべし!
R35GT-Rエアフロ流用と同様、向井代表が最近ポン付けターボクラスのユーザーにお勧めしているアップデートメニューが、燃料噴射を司るインジェクターの交換である。これは容量うんぬんではなく、霧化の促進を狙ったチューニングで、カンサイサービスではサード製の12ホールタイプを使用することが多いそうだ。
インジェクター比較
「純正インジェクターの噴射口は1ホール。これを霧化特性に優れた12ホールに変更すると、体感レベルでパーシャル領域のギクシャク感が消えてレスポンスもアップするんです。ちなみに、R35純正も12ホールなんですが、アレは流用する際に加工やフィッティングパーツが必要やから結果的にコストがかさむ。だったら最初からポン付けでイケるアフターの12ホールを使った方が良いです」。
インジェクターの役割は、ガソリンの霧化(微粒子化)を促進させて空気とガソリンをより均一に混合させることにある。ポート形状や目標馬力、セッティングなどまで絡めると話は変わってくるが、霧化という観点において噴射口の多噴孔化は正攻法だ。何より、今時の高性能エンジンは全て12ホール式インジェクターを採用しているという事実が、両者の性能差を表す答えでもある。
パワー至上のチューニングとは一線を画す、 カンサイサービスのRB26デジタルチューン。アナログ時代に生まれた第二世代を、令和に相応しいカタチでデジタル化させるための“最良の手段”と言えるだろう。
●取材協力:カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL:0743-84-0126
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