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日本が世界に誇るミニトラを思い切りイジって走らせる!
農道のフェラーリとかポルシェとか、なぜがスーパースポーツにもなぞられる軽トラック。実際にはスーパスポーツではないにせよ、日本の独自規格のスーパーユーティリティービークルであることは間違いないだろう。そんな軽トラをベースに思い切りイジって走らせようと続けられているサーキットイベントが『Kトラワールドシリーズ』。ここでは2024年の第1戦(モーターランド鈴鹿)参加車両の中からチューニング度の高い車両をピックアップ!
OWNER:ウクレレさん/スズキ キャリイ[DA63T]
軽トラカスタム歴10年以上というウクレレさん。仕事は建築業で、このクルマも仕事用に購入したそうだが、気がつくとアルミホイールを交換し、さらにエンジンブローを機に軽自動車チューニングの大御所“キャドカーズ”の門を叩いてパワーアップを図ることになる。
キャドカーズの手によるK6Aエンジンは、強化バルブスプリングなどを組み込んだ上でTD025LLタービンをドッキング。そこにF-CON Vプロによる綿密なセッティングを組み合わせることで、660ccながら130psという圧倒的なパワーを絞り出している。
ホイールはモンスタースポーツ製の14インチで、タイヤはポテンザRE-71RSの165幅をチョイス。130psのパワーを使い切るためにウエットにも強いハイグリップラジアルを選んだそう。
ドラポジはフルバケとMOMOステアリングで最適化し、ダッシュボードにはデフィの追加メーターを並べるなど、室内は完全にチューンドのそれ。全方位が非常に高い1台だ。
今回は人生初のサーキット走行だったにも関わらず、走るたびにグングンとタイムを伸ばし、最終的には53秒679(ウエット)をマーク! 見事に総合3位に輝いたのである。
OWNER:アポロさん/スズキ キャリイ[DA63T]
前置きインタークーラーにオーバーフェンダー、サイド出しマフラーと、見るからに本気度満点のアポロさんのキャリイ。ウェットコンディションながら、この日の一番時計となる52秒420(ウエット)をマークした最速マシンだ。
見どころはやはりパワーチューニングで、エンジンはエブリィターボ用のK6Aをベースに、鍛造ピストンやポート研磨、ハイカムなどで徹底強化し、そこにギャレットベースのハイフロータービンをセット。マネージメントにはフルコンのLINKを豪華に導入しているが、アンチラグシステムまで組み込んだというから恐れ入る。
ボディサイドから突き出たエキゾーストマフラーは、タービンサイズの拡大に伴って友人とノリで作ったというワンオフスペシャル。
ホイールは、サーキットでは定番のボルクレーシングCE28をチョイス。サスペンションは、テインのシルビア用車高調を加工流用しているそうだ。
運転席前にはデフィーのデジタルマルチディスプレイDSDFが鎮座! また、純正メーターも改造され、ブーストコントローラーやブースト計などもスマートにインストールしている。
アポロさんいわく、「アンチラグは、効果よりも音(笑) 以前はスバル・サンバーでエントリーしたんですが全然ダメで、5年前にこのクルマに乗り替え。気が付けば、こんな姿になっていました」と経緯を教えてくれた。とにもかくにも、軽トラが“パンパンッ!!”とアンチラグを利かせながら走る姿は圧巻の一言だ。
主催者GTカープロデュースの新旧キャリイも参戦!
Kトラワールドシリーズを主催し、軽自動車全般のチューニングパーツ開発および販売を行っているのがGTカープロデュース。代表の高原さんは大の走り好きで、今回も新旧2台のキャリイ(DA63TとDA16T)を持ち込んで参加。激しいドリフトを披露しつつ、タイムアタックでは総合5番手となる54秒159を叩き出すなど、大活躍を見せてくれた。
Part.2へ続く
⚫︎取材協力:Kトラワールドシリーズ(主催:GTカープロデュース)
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