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1000馬力のフルチューン2JZ+エアシフターで勝負!
仙台ハイランド最後の年に大会優勝&自己ベスト更新
時代の流れに合わせてストリートからクローズドサーキットへとステージを変え、ゼロヨンレースを楽しみ続けているオーナー。相棒のJZX100チェイサーは、当初1JZにT04Zタービンの組み合せで走っていたが、2JZやRB26搭載車に全く歯が立たなかったという。
その敗北をきっかけに、チェイサーのチューニングがエスカレート。完全なるドラッグ専用機へと変貌するまでに、時間はそうかからなかった。
エンジンは1JZでは限界があるため、2JZ-GTEに換装。クランクこそノーマルながら、HKSの鍛造ピストンとH断面コンロッドを投入して、ハイブーストに耐えうる腰下を作り上げた。もちろん、ヘッドもハイカムの投入を軸に徹底的に手が入れられている。
組み合わせるタービンは、トラストのT88H-38GK。最大ブースト圧2.6キロというハイブーストをかけて1000psに迫るパワーを叩き出している。レブリミットは8300rpmに設定しているが、満足のいくパワーと特性を得られているという。
吸気系はトラスト製サージタンクや定番のインフィニティ用スロットルを組み合わせつつ、F-CON Vプロで制御。インジェクターは1000ccに変更し、ハイパワーにも対応したキャパシティを持つ。
重要なリヤの足回りは、アラゴスタ車高調をベースにスプリングレートを9kg/mmに設定。駆動系は男のデフロック仕様だ。
トランク内はフロアをカットし、フラットなボトム形状に変更。フレームに補強を加えた上で、センター部にコンパクトな安全タンクを設置している。
さらにリヤフェンダーはサイクルフェンダー化され、幅12インチ(約300mm)、外径29インチ(約744mm)という巨大なドラッグスリックを飲み込んでいる。
室内も凄まじい。ドラッグ専用マシンとして仕上げているため、ノーマルメーターなど不要なパーツは全て撤去。計器類はセンターパネルに取り付け、ミッションはGフォースのエアシフターに変更。ロールケージもサイドバーにガゼットを入れて強度を高める設計だ。
その結果、仙台ハイランド最後の年の大会(オープニングフェスタ)でプロコンプクラス優勝を果たし、さらにフリー走行では自己ベストの8秒868を記録、圧巻の走りを見せつけたのだ。
ドライビングスキルはもちろんだが、マシンの仕上げ方とオーナーの根性が生んだ、まさに最高峰のドラッグスペシャルと言えるだろう。