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速さに加えてスタイリッシュさも突き詰める!
至高のストリートチューンドが完成間近
ストリートからサーキット、そして最高速アタック…と、第二世代GT-Rで多彩なステージに挑んできた“フェニックスパワー”。そんなRマイスターが推す渾身の1台が、この漆黒のBCNR33だ。
これは「若い頃には作れなかった理想のチューンドRを、生活に余裕ができた今だから実現したい」というリクエストを受け、フルレストア&フルチューニングで全てをイチから作り込んだ車両となる。
フェニックスパワーが最初に相談を受けたのは2022年夏のこと。それから究極のストリートチューンドを生み出すためにオーナーとのディスカッションを何度も繰り返し、実際の作業は2023年4月にようやく始まったそうだ。
ちなみに、フェニックスパワーではポテンシャルを徹底追求するRB26DETTチューンには、コストやメンテナンス性まで考慮してシングルターボを推奨している。しかし、このBCNR33は「エンジンルームの格好良さは断然ツイン! 下は使えなくても良い」というオーナーの強い希望から、TD06SH-20RXのツインターボレイアウトをセレクト。ストリートチューンドだけに800ps付近に抑えているが、補機類の小変更で1000psオーバーが狙える強心臓となる。
エンジンマネージメントには、アペックスのパワーFCを使用。なお、当初はR35GT-Rエアフロを使ったLジェトロ制御を予定していたが、ブローオフバルブの配管との兼ね合いから急遽キャンセル。Dジェトロ(圧力制御)に切り替えたという経緯がある。
「エアフロを生かした方がオールシーズンで扱いやすい特性を作れるのですが、ブローオフをレイアウトするとどうしてもエアフロセンサーが隠せなくて。ビジュアル優先で今回はエアフロレスとしました」とは横山代表。
サージタンクおよびシングルスロットルはトラストの大容量タイプに変更。市販品のアルマイト処理は輝きがイマイチだったため、バフ掛けによるミラーフィニッシュで存在感を際立たせている。
トランク内には、アルミパイピングで配管を魅せながら将来的なステップアップにも対応するツインポンプ仕様のコレクタータンクをセット。インジェクターやカムの変更で1000psも狙える拡張性を持たせている。
足回りには乗り心地と頼もしさを高次元で両立するアラゴスタ・タイプSをチョイスし、R35GT-R純正ブレーキシステムで800psのポテンシャルに見合う制動力を確保。
ニスモのサスペンションリンク、メンバー交換やジャッキアップポイント修復など、長く乗り続けるためのコンディションアップも入念に行なった。
「第二世代GT-Rは数え切れないほどチューニングしていますが、少しずつステップアップして最終的にフルチューンへと仕上げるケースが大半です。理想をしっかりイメージして、一気にここまで作り込むのは初めて。速さやスペックだけで考えるなら、今回の車両を上回るチューンドRはいますけど、格好良さと速さをここまで妥協なく突き詰めた記憶はありません。間違いなく最強のストリートチューンドでしょうね」とは横山代表。
なお、ビジュアルに対するオーナーの拘りは相当なもので、輝くエンジンベイはもちろんエアロパーツのセレクトからホイールチョイス(19インチのBBS RI-D)に至るまで、徹底的に吟味しながら選定しているそうだ。
至高のストリートチューンドとして、速さと格好良さをとことん突き詰めた超大作。まさに、オーナーとトップチューナーのセンスが光る最強のBCNR33だ。
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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