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対向6ポットや400mmローターなど選り取り見取り!
より軽くより強く進化する純正ブレーキチェック!
車重が増え、タイヤが高性能化していくことで大きく進化したパーツがブレーキキャリパー。この流れは社外パーツのみならず、純正品にも当てはまるもの。1990年代からリーズナブルな手法として親しまれてきた純正流用だが、トヨタ&レクサスの純正ブレーキキャリパーの進化で新たなトレンドが出来つつあると語るのが、ブレーキ流用のスペシャリストとして知られる“グローバル”だ。
サンプルとして用意してもらったJZA80には、レクサス・LS純正ブレーキを流用するキットを装着。ノーマル(後期ターボ・17インチ仕様)のフロントが323mmローター×4ポット、リヤが324mmローター×2ポットであるのに対し、フロント355mmローター×4ポット、リア350mmローター×2ポットへとアップデートされている。
この変更によって「剛性感も高まった上に、ペダルストローク中の効き方までをコントロールしやすくなった」とはオーナーの原島さんだ。交換の実績としては、自身のドライブで日光サーキットのラップライムを1秒以上も縮めることが出来たという。
「最近では、レクサスに加えてトヨタGRシリーズにも高性能キャリパーを装備したモデルが多く、装着されているサイズも様々。これらを使ったブレーキ流用もどんどん進化しているんです。キャリパーを見ても6ポッドがよりコンパクトなサイズになったり、マウント方式も旧来のアキシャルマウントだけだけでなく、GRヤリスのような小型のラジアルマウントのタイプも出てくるなど、流用しやすいキットも増えているんですよ」とは、グローバル代表の葛飾さん。
同じ400mmローターを使用する6ポッドキャリパーでも、RX500h(左)とLC500(右)では厚さが大きく異なり、選び分けることでオフセットの自由度も出てくる。新型となるLC500からはコンパクトに進化、これが流用しやすいスペックとのこと。
6ポットキャリパーでは400mmローター対応のLC500やRX500h用だけでなく、360mmローター対応するややコンパクトなIS F用も存在。バラエティに富んだレクサスキャリパーのラインナップは、流用チューンにも最適だ。
GRヤリスやカローラスポーツ純正品(4ポッド)では、ブレーキキャリパー垂直に取り付けボルトが刺さるラジアルマウント方式が採用されている。従来のアキシャルマウント方式ではオフセット量などの調整が難しい車種もあったが、この方式ならブラケット設計の自由度が高まるため、流用チューンの幅は大きく広がったと言える。
なお、以前はキャリパーやローターまでセットになったキット販売を主としていたグローバルだが、最近は送料の高騰などもありブラケットキットのみの販売(4万1800円〜)も積極的に行なっている。購入者には必要なパーツの品番などを伝えるため、事後のメンテナンスにも役立つはず。もちろん、自己責任なら中古のローターやキャリパーを入手して組み合わせるのも可。
同じ356mmでもRC F用(左)のような2ピースタイプから標準的な1ピースベンチレーテッドタイプ、1ピースインナーベンチタイプなどの種類がある。グローバルでは、オフセットや効き方など最適な選択でキットを構築している。
「純正ブレーキの流用は、補修パーツの供給が安定しているため、社外ブレーキよりもリーズナブルに長く安心して楽しめるという点もメリット。ただし、無理にワンオフ装着しようとすると、社外のキット品より高くなっちゃうことがあるので、なんでも流用…というわけではないことも理解すべきですね」。
流用には相応のノウハウが必要で、純正装着されるブレーキのサイズや特徴はもちろん、取り付けるクルマの許容スペースなども検証しなければならない。例えばローター流用では径の拡大だけでなく、厚みやハブからのオフセット量・ハブセンター径なども変化してくるため、キャリパーブラケットの形状や寸法など車種ごとに設計することが必須。
グローバルではこうした流用情報を長年蓄積し続け、最適化したブラケットを用意することで現在のラインナップは200車種オーバー。さらに、同一車種の中でもキャリパーやローターの選択肢を複数用意することで、多彩なニーズに応えているのも見どころだ。
⚫︎取材協力:グローバル 埼玉県久喜市樋ノ口494 TEL:0480-24-2417
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