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低回転からトルクフルなツインターボ仕様を追求
純正然とした作り込みながら高い戦闘力!
かつて筑波サーキットを舞台に繰り広げられた“スーパーバトル”で、12年連続優勝という快挙を成し遂げた“マインズ”。そんな名門ビルダーのチューニングアプローチを紐解くと、辿り着くのは新倉代表の「トータルバランス重視」という信念に他ならない。
マインズが手掛けるRB26DETTユニットは、“ハイレスポンス”がキーワードとなる。最高出力600ps前後が主流。闇雲にパワーや高回転化を追い求めるのではなく、いかに中間域でのパフォーマンスを高められるかに注力してきたのだ。
フル機械加工を施したヘッドに、ハイリフト仕様のカムを組み込み、圧縮を高める。さらに軽さと強度を両立したパーツを吟味して、丁寧にエンジンを組み上げていく。バランス取りや重量合わせなど莫大な時間と労力を要するが、そうした細かい積み重ねがNA領域での吹け上がりにも差が出てくるので一切妥協はしない。全ては研ぎ澄まされたレスポンスを手に入れるためだ。
ピストンは鍛造の超軽量品を採用(左)。純正(右)と比べるとショートハイト仕様であることがよく分かり、スカート部にはコーティングも施される。コンロッドも強度と軽さのバランスを重視。形状は問わないが、H断面タイプは高回転で内圧が上がりブローバイガスが出やすくなる面もあるとか。
燃焼室やポートは機械加工を実施。デトネーション予防のためインテーク側のスキッシュエリアは落とし、ベリリューム製のバルブシートも装着される。
そして出力特性に大きな影響を与えるタービンは、ギャレットのGT2860R2(右)を推奨。ニスモR3タービン(左)と比べると若干サイズが大きいことが分かるだろう。
なお、マインズのエンジンは熟練の中山メカが、温度や湿度が徹底管理されたクリーンルームで丁寧に組み上げる。仕様はもちろん、クリアランスや細かい仕上げにも独自のノウハウがある。手間も時間も掛かるだけにそれなりの予算は必要になるが、一生モノと考えれば大枚を叩く価値はありと言えるだろう。
今回、撮影したユーザーカーはそんなマインズ流の拘りが注入されたコンプリートスペック。ボルト1本に至るまで新品パーツが惜しみなく注入し、新車以上の仕上がりを見せる。
内装メイクも妥協なく、ダッシュボードを赤ステッチ入りのアルカンターラ生地で張り替えるなど、上質な室内空間を構築した。オリジナルを尊重しつつも現代流にアップデートすることで、古さを全く感じさせない大人のためのR34チューンドへと昇華させているのだ。まさに、理想にして究極のストリートスペックと言えるだろう。
●取材協力:マインズ 神奈川県横須賀市林5-7-25 TEL:046-857-3313
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