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2020年末から2021年始にかけて募集・開催された『ワーク フォトコンテスト』。ワークホイールを装着した車両の写真を応募し、構図やアングルはもちろん、被写体のカッコ良さも審査基準に含めた写真作品のコンテストだ。そして、ワーク全社員の投票によって『金賞』に選ばれたのが、ここで紹介するJZA80スープラである。
ワークのフォトコンテストで優勝したJZA80
19インチのジスタンスW5Sをエアサスで飲み込む!
オーナーの磯野さんは26歳という若さながら、このJZA80型スープラRZに加えて、普段乗り用にZN6型86も所有している生粋のカーガイだ。スープラは2年前に手に入れたそうだが、それ以前もSW20型MR2でシャコタン系イベントに参加していたと言う。
「トヨタディーラーでメカニックをしているんです。大好きなクルマいじりを仕事にできているって本当に幸せですよ」と目を輝かせる。そんな磯野さんだからこそ、愛車のカスタム&チューンもできる作業は自ら手掛けることで、進化度を高めているわけだ。
拘ったのは「純正イメージを維持しながら、エアサスでとにかく低く」ということ。エアロはRANDO SPORTSのフロントバンパーとサイドステップに、RIDOXのリヤスパッツと純正リヤスポイラーという、スープラ本来の意匠を尊重した組み合わせとなる。
「サイドステップ下端の直線デザインがお気に入り」とは磯野さん。バンパーとフェンダーが接合する部分は本来、バンパー側がやや幅広になるが(これは当時のエアロデザインの主流)、フロントフェンダーの接合箇所をパテで15mmほど広げて、繋がり感のある純正ライクなフォルムを作り出した。
リヤ周りは各部(アンテナやウォッシャーノズル等)のスムージングでスッキリ感を出しつつ、北米仕様の『Supra turbo』エンブレムを付けるなど、絶妙な足し引きが行なわれている。
一方のエアサスは、ネットオークションに出品されていたACC製のJZS147用を5万円で落札することに成功。「この値段なら失敗しても…と思ってアリスト用を買ったんですが、装着できて良かったです。でもリヤ側は車高が落ち切らなかったので、ダンパーと同時にエアバッグも交換しましたけどね」と、このチャレンジ精神も自分で作業できる強みを増幅する。
前後フェンダーはツメ折りの他、片側10mmの叩き出し加工を実施。さらに、調整式サスペンションアームを駆使したキャンバー設定でタイヤとの干渉を回避し、エアサスでのローフォルム創出を実現する。
そして、肝心のホイールは19インチの3ピース『ワークジスタンスW5S』をセレクト。なんと、他にも『ワークマイスターS1』の3ピースも所有していて、気分で履き替えると言うから恐れ入る。
サイズはフロントが9.5J+29(ワイトレ40mm)でリヤが10J+22(ワイトレ18mm)。ディープリムとビッグキャリパー装着を見事に両立。ディスクカラーはブリリアントシルバーブラックだ。なお、キャリパーはレクサスLS600h用を流用して、ポルシェのイメージでイエローに塗装。それをV36スカイライン用355mmローターに組み合わせる。
「スポーツ系のマイスターに対して、ジスタンスはラグジュアリー&VIP系なんですが、5スポークでスープラにもバッチリ似合うと思ったんです」と磯野さん。実は86にも、以前のMR2にもワークの3ピースを装着するほどに、ディープリムへの執着は強かったりする。
インテリアは、GRIP ROYALのステアリングで個性を演出。基本的には純正アイテムで構成されているものの、高級感と遊び心が共棲するこのマシンのテイストに合った仕上がりと言えるだろう。
ダッシュ貫通タイプのロールケージはサイドバーを含む8点式だが、クロスバーも所有していて追加が予定されている。
ラゲッジスペースのサブウーファー、パワーアンプ、エアサスタンクを収納するBOXは自作だ。
なお、ボディカラーはつい先日、ヤリスクロス用のシルバーメタリックにオールペンしたばかり。「元々も199だったんですけど、新色の1LOを見てこれだ!!って」と、カラーコードを会話に織り交ぜてくるあたりはトヨタ系メカニックならでは。ちなみに、1LOは明るい銀色で、メタリックのツブツブ感が強いのが特徴らしい。
もちろん、スープラはまだまだ進化の途中。今回のワークフォトコンテスト金賞に加えてOPTION本誌カバー(2021年11月号)を飾ったことで、さらに勢いは加速することだろう。
PHOTO:益田和久
●取材協力:ワーク TEL:06-6746-2859
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