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リフレッシュついでのターボ化!
老舗が仕上げた技ありの高出力仕様
1979年の設立以来、日本のチューニングカーの歴史を牽引し続けてきた“エスプリ”。その実績は軽自動車の領域にも多大な影響を与え、今もなお多くのリアルチューンドを生み出している。そんな名門チューナーが手掛けた最新作が、ターボが組み合わせられたこのビートだ。

ビートへの過給機チューンは、新車当時も手掛けていたエスプリ。その後もHKS GTスーパーチャージャーを搭載するなど、E07Aに対してのパワーチューンは軽自動車専門店を超える成果を打ち立ててきた。そうした背景もあり、ビートのリフレッシュやパワーアップに関する相談は今でも後を絶たない。

「このビートはリフレッシュに合わせてエンジンをターボ化するのがオーダー内容です。そのためターボ化に対応するよう、ピストンやコンロッドはライフダンクのE07Aターボ純正品を流用しています。ただ、ミッドシップのためインタークーラーなどのレイアウトは限られてしまうので、この辺りはワンオフで製作しながら効率の良い取り回しを目指しています」とはメカニックの北村さん。
これまでの経験を基にしたターボ化ながら、既製品のキットが存在しないビートだけに、ワンオフ加工のオンパレード。とくにインタークーラーの配置はトランクスペースを残すか潰すかなど、オーナーの意向やクルマの使い方次第でも変わってくる。今回は、エンジンルームに収まることが前提のオーダーであったため、ギリギリのスペースを狙って装着。車両左側のインテークを活用して冷却する方式が取られている。

サージタンクもこのビートに合わせてワンオフ。トランクルームからのメンテナンスハッチとのクリアランスもギリギリのため、スペースを優先した設計となっている。

ワンオフスペシャルのエキマニと共に、組み合わせるタービンはHKS製GT2912B。低中速域からフラットに伸びるパワーとトルクで扱いやすいチョイスだ。

エンジンルーム内にスペースが無くなってしまったため、吸気は腹下にレイアウトされる。合わせて砂埃や水分などを寄せ付けないスキッドプレートも追加され、フレッシュエアの導入経路を確保している。

個性的なビートのインテリアを損なわないよう、追加メーターの類はHKSのEVCを純正メーター脇にセットするのみだ。

パワーの増大に合わせて、燃料系はサードのインジェクターなどを投入しキャパシティを向上。制御はHKSのF-CON Vプロにて行う。

サスペンションは純正形状タイプのKYBニューSRにRS☆Rのダウンサスをセット。街乗りでも快適なマイルドな乗り味と、ローフォルムを両立する組み合わせだ。

ビートと言えば「NAらしい線の細い高回転エンジンをブン回してキビキビ走る」というイメージだが、このターボ仕様は一味違う。低回転からモリモリの実用トルクが湧き上がってきて、そのパワーが高回転まで途切れない。まるで最新の軽ターボモデルのような乗り味だ。
駆動系や機関系はもちろん、オーナーの手によっボディまで完全にリフレッシュしながら大幅にアップデートされたビート改ターボ。正統派レストモッドと言って間違いのないリアルチューンドだ。
●取材協力:エスプリ 三重県鈴鹿市住吉3-19-1 TEL:0593-70-8080
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エスプリ
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