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全幅185mmワイドのブリスターが醸し出す圧倒的な存在感
自分が欲しいから作ったNA22Cボディキット
純白のボディにグリーンのラインが映えるカラーリングに見覚えのある人も多いだろう。このボディキットのモチーフとなったのは、IMSA仕様のSA22C・RX-7。1979年、アメリカのデイトナ24時間レースに投入され、デビュー戦で1-2フィニッシュを遂げた伝説のレーシングカーだ。
その正体はNA型ロードスターというから驚き。本物そっくりに仕上げるならば、SA22Cベースにするのが手っ取り早い。しかし、これを手掛けた『ジェット・ストリーム』の大谷明生代表は、レプリカ仕様にする気はなかった。
NA型ベースに拘り、昔憧れたIMSА仕様にオリジナルのデザインテイストを盛り込んで、このワイドボディを仕上げたという。
その理由は単純明快「自分が欲しかったから!」とか。『NA22C』と命名されたこのボディキットは、フロントバンパーやリップスポイラー、前後フェンダー、サイドステップ、リヤハッチゲート、リヤサイドパネル、リヤスポイラーで構成される。
装着にはリヤフェンダーのアーチ上げ加工なども必要となり、コンプリートボディの製作費は約100万円だ(車両代別・詳細は要問い合わせ)。
丸みを帯びたデザインとすることで、NA型らしさを残したのも拘り。巨大なフォグランプが存在感を主張するフロントバンパーは、リップスポイラーを別体式にすることで、標準のナローボディにも対応(リップスポイラーは2タイプを用意)。また、フォグランプを装着しない人のために専用フォグランプカバーも設定された。
リベット留めのブリスターフェンダーが、スパルタンな雰囲気を醸し出す。元々、ジェット・ストリームではレーシングカーや有名ブランドのOEMエアロ製作を手掛けていたというだけに、そのクオリティも文句なし。フィッティングもバッチリだ。
クルマの一体感を高めるサイドステップも専用設計。そのくびれ具合を見れば、いかにワイド化されているかが分かるはず。ちなみにドア上部には、後方視界をモニターに映し出すためのバックカメラがさりげなく配置されていた。
超グラマラスなリヤフェンダーは片側90mm以上ワイド。全幅はノーマル1685mmに対し、1870mmまで拡大されている。レクサスLSやランドクルーザープラド、Z34型フェアレディZなどと匹敵するサイズ感なだけに、その迫力は圧倒的だ。
純正ハードトップを生かし、オリジナルのサイドパネルを組み合わせてアイロネゲート風にまとめられたリヤセクション。ヒンジはNC旋盤で起こしたワンオフ品を使用する。ゲートに回り込むようにマウントされたダックテール状のリヤスポイラーも個性的である。
リヤゲートを開けると仕組みが理解しやすい。ボディ側は加工せずにウェザーストリップは純正を使用。ゲートと一体化したトランクが上方に持ち上がる。純正トランクの一部を流用することで、雨漏りの心配を払拭しているのだ。ルックスのみならず、日常性まで考慮したコンプリートボディというわけだ。
フロア下を流れる空気を整えるリヤアンダーディフューザーもオリジナル。ちなみに、このデモカーではフロントアンダーパネルも追加することで強力なダウンフォースを生み出している。高速道路やサーキットで安定した走りが実感できる。
FRPの小物パーツを数多く扱うジェット・ストリームが手掛けるだけに、室内も見所が満載。メーターの両脇には小型モニターを設置。ナンバーステーの両脇やドアに設けられた小型カメラで、周囲の状況を把握できるようにしている。こちらはワンオフ品だ。
スマートフォンをしっかりとホールドできるホルダーもオリジナル。Bluetooth連動でオーディオもすぐに聴ける仕組みになっている。
バケットシートを入れてローポジション化すると、変速時に肘がセンターコンソールに当たってしまうNA型ロードスター。これを解消できる人気アイテムが『スポーツセンターコンソール』。シンプルなデザインで車内がスマートにまとまる。価格は1万4000円〜。
エアロを手掛けて30年というジェット・ストリームでは、デザインから製品化まで一貫して自社内で行えるのも強み。だからこそ、細かいニーズにも対応し、信頼性が高いアイテムをリリースし続けられるのだ。
●取材協力:ジェット・ストリーム 神奈川県愛甲郡愛川町中津4764-1 TEL:046-286-4422
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