目次
ラップタイムだけでは測れない魅力がここにある!
クルマを操る楽しさを詰め込んだ贅沢仕様
マツダ車チューンを得意とする広島県の“レッグモータースポーツ”。水色のフルラッピングでイメチェンを果たしたND型ロードスターは、同社の実験車両的な役割を担う。“街乗りも快適で、サーキットを楽しく走れる。そして何よりカッコ良い”。そんなコンセプトで製作された1台だ。
エンジンは272度のハイカムを投入したNAメカチューン仕様。インテークの要となるのは『ハイパーインテークグリル』。これは、グリル開口面積を広く取ったオリジナルのカーボングリルとグリル裏からフレッシュエアを強制的に取り込むダクトのセットで、吸気温度を外気温+5~10度に抑える効果を持つ。
ECUも攻略済みで、燃調や点火時期、可変バルタイなどの最適化によって、最高出力は160psに到達。電子制御スロットルはもたつきを感じる領域のみ反応を良くし、あまりシャープにしすぎると逆にギクシャク感が出るという中・高回転域はあえてノーマルのままとした。
メインパイプやサイレンサー形状など試作品のテストを重ねたというマフラーも見逃せない。オールチタンとすることで純正比5kgの軽量化を実現。試作を繰り返しメインパイプ径は60φに設定した。製品は保安基準適合モデルとサーキット専用モデルの2タイプが用意されており、デモカーには後者が与えられている。
走り込みを重ねて仕上げたというアタックダンパーは、エンドレス製をベースとしたサーキット周回向けのハード仕様。スプリングレートはフロント12kg/mm、リヤ8kg/mm+ヘルパーだ。トーコンロックブッシュも組み込んでいる。
なお、サスペンション関連においてレッグモータースポーツが効果絶大と太鼓判を押すのがオリジナルの『スーパーメンバーロックナット』だ。これは、前後のサスメンバー固定部のクリアランスに特殊なナットを入れて、センターリング&リジッド化するというもの。
「剛性が上がって、操作に対するインフォメーション性が良くなります。人馬一体感が高まりますので、スポーツ走行が楽しくなりますよ!」とは倉迫代表。
ホイールはウェッズスポーツTC105X(FR7.5J×17+38)で、これにアドバンA052(FR205/40-17)を組み合わせる。岡山国際サーキットでは数周でフェードに至ったというブレーキは、純正オプションのブレンボ製キャリパーへと変更して強化済みだ。
室内にもレッグらしいオリジナルパーツが投入されている。シートはレカロRS-Gだが、シートレールは独自に開発し、ハンドルセンターに対して着座位置がキッチリと真ん中にくるよう調整。ボディへの穴開け加工せずに4点ハーネスを固定できるベルトハーネスアンカーや、ボルトオンのクロモリ4点式ロールバーも装備する。
エクステリアはシンプルなメイキングだ。フロントにはオリジナルのリップスポイラーを導入し、リヤには旋回時に安定したトラクション性能を得るべくodura製のGTウイングプロを装着している。
このチューンドをセントラルサーキットで走らせた井入宏之選手は「これまでの熟成度が上手く生かされていて良くまとまっている。ラップタイムは1分34秒400と普通だけど、クルマの楽しさは速さじゃないことを改めて感じさせてくれた。人馬一体の極みだね」とコメント。
5年もの月日を費やして熟成を続けたレッグモータースポーツのND5RCロードスター。非常に魅力的な仕上がりだ。
●取材協力:レッグモータースポーツ 広島県安芸区船越南3-18-13 TEL:082-823-5888
【関連リンク】
レッグモータースポーツ
http://www.leg-sport.com/