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初挑戦のサーキットとは思えないドリフトを披露!
愛機はブーストアップ仕様のS15シルビア
7月25日(日)、栃木県の日光サーキットで開催された“MSCチャレンジ(ビギナークラス)第2戦”で、現役女子高生の深田一希(ふかだいつき)さんが準優勝を飾った。優勝こそ逃したものの、彼女のアグレッシブな走りには審査員も驚いたほどで、前途有望なニューカマーの登場と言えるだろう。
深田一希さんは現在17歳。ドリフトを始めたのは高校1年生の時で、ドリフトレッスンの講師としてサーキットに通う父親と行動を共にしているうちに「お父さんにできるなら私にも出来るはず!」と思うようになったそう。
何を隠そう、その父親というのは、フォーミュラドリフトジャパンやD1グランプリシリーズといったトップカテゴリーで活躍する深田真弘選手なのである。
以降、学校の休みを利用しながら月イチくらいのペースで練習を重ね、2021年、満を持して父親が出場しているフォーミュラドリフトジャパンの下位カテゴリー“MSCチャレンジ”に乗り込んだというわけだ。
そんな彼女の愛機であるS15シルビアは「踏めばすぐドリフトできるタービン交換車より、ローパワーを使い切った方が良い」という父・真弘さんの方針により、純正タービンのブーストアップ仕様となっている。設定ブースト圧は1.0キロで、パワーは240ps程度とのこと。
足回りはDGRのフルタップ車高調(F8kg/mm R6kg/mm)を軸に構築。アーム類も調整式に交換されており、切れ角に重要なナックルはディフィールオリジナル品をセット。
ホイールはSSRのGTX01(F9J×17+15 R9J×17+38)で、タイヤはダンロップのディレッツァZIII(235/40-17)を4本通しで履く。
レースでは単走1本目でミスをしたものの、2本目でビギナークラスとは思えないハイスピードドリフトを披露。その走りが高得点に繋がり、見事に準優勝を勝ち取った。
「初めてのコースだったし、1本目に失敗しちゃったから少し焦りましたが、とにかく走ることが楽しくて緊張は無かったです。でも、優勝できなかったのが本当に悔しい」とはレース後の一希さん。
愛娘の奮闘を間近で見ていた父・真弘さんが苦笑をこぼしながら言う。「日光サーキットは初めてだったから、速度域の低いサイド進入から徐々に攻めていくのかと思ったら、練習走行の1発目でいきなり3速のフェイントで振り出してきたのはビックリしました。僕とは正反対の“鋼の心臓”の持ち主ですね」。
「もっともっと上手くなって色んな大会に出て、最終的にはフォーミュラドリフトジャパンとかD1グランプリシリーズに出てみたいです。打倒お父さん!」。これは父親もうかうかしていられない!?
●取材イベント:MSCチャレンジ
TEXT:Daisuke YAMAMOTO
PHOTO:Nobutoshi KANEKO