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老舗が提案する2JZ-GE改GTスーパーチャージャー仕様!
性能はボルトオンターボ仕様に匹敵する
「ウチで意外と多いんが“NAのスープラで400psくらい出したい”ゆうお客さん。その人たちに向けてボルトオンターボキットを用意しとるんやけど、排気系をイジる必要がないGTスーパーチャージャーならもっと安く、同じくらいの馬力を出せるんやないか? と思ってな」。
そう語るのは、チューニング業界屈指の技術派チューナー“エスプリ”の前川代表だ。
早速、テストをかねてデモカーを製作。エンジン本体はノーマルのまま、HKSの1.6mmヘッドガスケットを2枚重ねて圧縮比を9.0まで落とした上でGTスーパーチャージャーをセット。サイズは対応出力550〜600psを誇るGTS8550だ。パイピング類は当然ワンオフ製作され、燃料系の強化も図られる。
なお、スーパーチャージャーは1本もののベストで駆動される。2JZ-GEにはオートベルトテンショナー(指でさしている部分)が備わっていて、ベルトの張り具合を自動で調整してくれるため、後付けのテンショナーは不要というのもメリットだ。
前川代表の予想通りパフォーマンスは上々で、最大ブースト圧1.1キロの暫定仕様で411ps/49.4kgmを発揮。さらに、プーリー径の変更やエアクリーナー交換で吸気抵抗の低減を図ったところ、最終的には最大ブースト圧1.5キロで、なんと501ps/52.3kgmに達したのだ。
ちなみに、GTスーパーチャージャーはエンジン回転数の上昇に合わせてブースト圧も高まっていく。そこで、設定ブースト圧を変えるため数種類のプーリーを用意。装着されているのが80φ、手前に並ぶのが左から順に90φ/100φ/120φだ。「スーパーチャージャーは、ターボと違ってトルク変動が少ないから駆動系にかかる負担が小さいし、パワーの出方を予測できるのもメリットやろな」と前川代表。
フィーリングも独特だ。「NA改GTスーパーチャージャー仕様は不思議なフィーリング。エンジンレスポンスや7000rpmまでストレスなく吹け上がる様はNAそのままで、ターボのようにある回転域からパワーが盛り上がる感覚は皆無なのに、やたらと速いんよ。スーパーチャージャー仕様にはよく“排気量アップしたような”って表現が使われるやろ。排気量アップ=低中速トルクは向上するけど、高回転域が重くなる…ということ。けど、GTスーパーチャージャー仕様は、高回転域での伸びが全くスポイルされてないから、その表現は当てはまらないんよ。速さがプラスされるのはもちろん、ターボともこれまでのスーパーチャージャーとも違う新しい感覚が魅力だと思う」。
この結果、JZA80NA用のキット化がすぐさま決定。
しかも、価格はGTスーパーチャージャー本体に取り付けブラケット、インタークーラー&パイピング一式、220L/h大容量燃料ポンプ&520ccインジェクター、ヘッドガスケット、専用データ入りF-CON iSをセットにして、取り付け工賃込み(エスプリ限定)で80万円〜120万円(車両の状態による)。
一般的なボルトオンターボキットだと、取り付け工賃込みで150万円オーバーということを考えると、いかにコストパフォーマンスに優れたパワーアップキットであるかが分かるだろう。
取材協力:エスプリ 三重県鈴鹿市住吉3-19-1 TEL:0593-70-8080
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