「打倒ファイヤー安藤」アンダー鈴木の弟が本格始動! 3ローターFD3Sで兄の雪辱を誓う!?

気合の入りっぷりは兄貴に劣らず!

世界に名を馳せる最速のサラリーマン“アンダー鈴木”の実弟現る

2021年12月まで長らく筑波サーキット最速の称号を守り続けていた“アンダー鈴木”。そんな世界最速のサラリーマンの異名を取る男の『実弟』がついに動き出した。3ローターのFD3Sを駆る“ロック鈴木”である。

18歳の時に兄の影響でR32型スカイラインタイプMを購入。以後、ミニサーキットを中心に走りを楽しんでいたそうだが、免許取得から1年ほど経ったある日、事件が発生する。峠でマイカーを兄がクラッシュさせてしまったのだ。修理する資金も無かったため、ロック鈴木はそのまま一度目の走り屋人生に幕を下ろしたのである。

転機は2016年。兄の筑波アタックを見学に筑波サーキットへと足を運んだことを機に、走り屋魂が再燃。直後から兄のアドバイスを受けつつFD3Sのマシンメイクをスタートさせ、時間をかけて現在の仕様へと辿り着いたそうだ。

ベースのFD3Sはネットオークションで購入。勘を取り戻すために、2シーズンはノーマルエンジンのブーストアップ仕様で走り続けた。

そこから足りない部分を補うカタチでチューニングを本格化。アンダー鈴木オリジナルのドライカーボン製パーツを兄に言われるがまま“定価”で購入してインストールした結果、ノーマルエンジンのまま58秒台まで記録を伸ばすことに成功(2020シーズン)。実力は本物というわけだ。

2021年はエンジン製作に注力。20Bベースの3ローターエンジンに、ギャレットG40コンパクトタービンを組み合わせた600ps仕様を作り上げたのだ。ドライブトレインは、ORCの強化クラッチにホリンジャーの6速シーケンシャルドグミッションという構成。エンジンマネージメントはモーテックM800が担う。

これらエンジンメイクは兄から紹介を受けたショップ“ワーキーメイト”に依頼。同社は筑波ランキング23位(2022年2月16日現在)のワーキーメイト☆SUNOCO☆masa32R(BNR32)の担当医であり、タイムアタックに対する知見やノウハウは豊富だ。

足回りはビルシュタインの車高調を軸にセットアップ。アッパーアーム取り付け部加工によるジオメトリーの変更など、細かく手が入れられている。

ブレーキは重量増加を嫌ってFD3S純正(17インチ)をキープ。今後、キャパシティ不足を感じたら交換することになるだろう。

ワイドフェンダーの導入によって片側35mmのワイドトレッド化を行なった上で、前後にアドバンA050(295/35-18)をセット。ホイールはボルクレーシングZE40だ。

「次のAttack筑波(2022年2月19日)でまず56秒を切りたいですね。当面の目標はFD3S最速、そしていつかは打倒ファイヤー安藤さん…って、言ってみたい感じですね(笑)。鈴木家の威信をかけて走ります。兄の無念を晴らさなくては!」

そんなジョークを交えつつ、密かに筑波最速の称号を狙うロック鈴木。そう遠くない将来、熱い兄弟対決を見られる日が来るかもしれない。

REPORT:渡辺大輔
●取材イベント:Attack SUZUKA 2022/GARAGE Dyu・Van TRACK DAY 2022

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