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AT免許でも楽しめる5AGSで最高速アタック
チューンドアルトRSの新世界を開拓!
各社からチューニングパーツが発売され、S660やコペンと並び現行の軽カーチューニングベースの人気車種となっているHA36S型アルト(ワークス)。
高い積載性能や、4人乗車での移動も難なくこなす懐の深さを持ったモデルだが、多くのチューンドアルトを手がけてきた“KCテクニカ”の藤山代表が最も注目すべきと語るのが、ターボRSからワークスまでに設定されたAT免許で乗れる2ペダル車、『5AGS』(5速オートギヤシフト)仕様だ。
これは、枠で言うともちろんオートマチック(AT)車だが、仕組み的にはマニュアル車と同じトランスミッションの自動制御。もちろんパドル制御も可能で、R35GT-Rなどと同様の2ペダルマニュアル車と言っていい。デビュー当時はギクシャクしたフィーリングで違和感を感じるユーザーも多かったこの機構だが、年次改良で大幅な改善を遂げているのもポイント。
KCテクニカでは、そんな5AGS搭載のアルトターボRSをベースに、快速シティコミューターを作り上げている。
R06Aエンジンは、独自のターボチューンによって100ps/13kgmというスペックを実現。街乗りからスポーツ走行までこなしている。レブリミットは7800rpmに設定されている。
軸となるのは、KCテクニカのタービンキット(スポーツチューニングキット)だ。これは、ハイレスポンスなIHI製RHF3改タービンにECUとプラグを含めたコンプリートキット。交換工賃込みで29万8000円という超リーズナブルな価格設定も魅力のオリジナル製品だ。
エキゾーストはJQR試験をクリアした車検対応のGTマフラーを装備。メインパイプ50.8φ、テールエンド60φの設定で高い排気効率を実現する。
足回りは、オリジナルのKCストリート車高調整キット(F5.0kg/mm R3.5kg/mm)を中心にセットアップ。ストリートでの使い勝手も良い「程よい硬さ」と「しなやかさ」を併せ持った逸品だ。ホイールはボルクレーシングTE37ソニック(6.0J-15) で、タイヤにはゼスティノ(FR165/55R15)を組み合わせている。
ブレーキはフロントにGTスリットローターを装備し、リヤはハヤシレーシング製アルフィンドラムとKCテクニカ製シューからなるオリジナルのドラムキットでバランスさせている。
エクステリアもオリジナルパーツで武装。中でも注目なのが、片側9mmワイド設定の“コーナーフェンダー”だ。純正のプレスラインを消し去ってデザインを見直すことで、フェンダー全体の大幅なボリュームアップを実現。もちろんハミタイ対策としても有効な製品だ。
今回は、この大容量タービンキットの性能を探るために高速周回路でのテストを敢行。結果は強烈で、0〜50キロ加速:3秒86(純正4秒40)、0〜100キロ加速:10秒89(純正12秒77)という好記録をマーク。そのまま加速を続け、177.00キロまで最高速を伸ばしたのだ。
奥様が買い物に使え、本気でアクセルを踏み込めば驚くほどの速さを見せつけてくれるアルトターボRS。家族で共用できるスポーツ軽カーに仕上げたいと考えるのならば、この方向性は大いに参考になるはずだ。
●取材協力:KCテクニカ 京都府宇治市槇島町目川6 TEL:0774-28-5075
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KCテクニカ
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