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74歳にして未だタイムアタッカーとして進化中!
リタイヤ後に初めたアタックライフ。鈴鹿2分10秒の壁に挑む
ド派手なピンクのランエボ6を駆り、筑波57秒2、鈴鹿2分10秒02という驚異のタイムをマークしている“トトまる”さん。タイムアタックシーンではかなり知られた存在であり、生涯現役を座右の銘に掲げる御年74歳(1948年生まれ)の走り屋シニアだ。
トトまるさんが走り始めたのは自営業が安定して子供が手離れした50歳を過ぎてからと、相当な遅咲き。それまでもクルマは好きだったが、事業を軌道に乗せるのに必死だったため、安い中古車を乗り継いでいたそう。ちなみに、クルマにハマるまでの趣味は競艇とパチンコ。これには相当つぎ込んだそうだが「何も残ってない」と笑う。
トトまるさんのトレードマークとも言えるランエボ6は、HKSのキャパシティアップグレードキットを使った2.3L仕様で、タービンにはF1タービンの異名を取るIHIのRX-6をセットアップ。5〜6年前からスペックに変更はないものの、エンジンは毎年オーバーホールしているそうだ。近年は空力も追求していてボディワークも本格的だ。
コクピットは贅肉を削ぎ落としたタイムアタックマシンらしいメイキング。ダッシュボードはドライカーボンのスペシャル。計器類はAIMのデジタルダッシュに集約させ、シンプル&レーシングライクな仕様を構築している。
ミッションはホリンジャーの6速シーケンシャルをセット。クラッチはディクセルのツインプレートを組み合わせる。
タイヤはアドバンA050の295/35R18を通しでセット。タイヤサイズの拡大に合わせて、インナーフェンダーの加工やワイドボディ化を施しているのも特徴だ。以前はファイナルを3.7だったが、現在は鈴鹿に照準を絞って3.9に変更。タイヤと空力、ファイナル変更が噛み合うことで目標の10秒切りも射程圏内だ。
ちなみに、マシンメイクに関してはエンジンの重作業と鈑金作業は信頼できるショップに依頼し、それ以外のパートは極力自分でこなすようにしているそう。その証拠に、自宅ガレージには溶接機や高速カッターも備え、外したパーツがゴロゴロとしている。若い頃にトラックやダンプの整備を経験したため、ランエボのパーツ交換など朝飯前!?
また、筑波やオートポリスなどへの遠征時は基本的にピット作業も一人で行なっているが、近場のサーキットを走る際には孫のような年頃の地元の若手サポーターが手伝ってくれるとニコニコ。こうした多世代交流も楽しみのひとつだそうで、トトまるさんの精神的な若さの源なのだろう。
生涯現役。誰もが簡単に口にする言葉である。しかしその言葉が本当の意味で似合う人間は数少ない。トトまるさんはそんな数少ない中の一人だ。
●取材イベント:Attack SUZUKA 2022/GARAGE Dyu・Van TRACK DAY 2022