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溺愛しすぎてSW20の寸法に合わせたガレージまで建造!
新車購入した最終型で理想のチューンドを目指す
バブル絶頂期の1989年に、究極の“遊びグルマ”としてトヨタが市場に送り出した2代目MR2(SW20型)。デビューから生産中止までの10年間で、計4度のマイナーチェンジを敢行し、その度に大きな改良が行われた。そう、最後まで和製ミッドシップスポーツとしての純度を高め続けたのである。
そんなSW20に魅了されたオーナーの愛機が今回の主役だ。「コンパクトで扱いやすいし、チューニング適応度も高いですから」。手入れの行き届いた相棒を眺めながらオーナーが語る。
実のところ、オーナーのSW20歴はこれが2回目だったりする。「昔は3型で峠を走ってたんです。でも派手にクラッシュしちゃって。それ以来、走りを辞めてミニバンなどに浮気してました」。
そんな冷え切った男の走り屋スピリッツを呼び覚ましたのは、他でもないSW20生産終了のニュースだった。時は1999年。世間が新世紀への期待を膨らます中、オーナーはディーラーへ走り、迷うことなく最終型のGT-Sを購入。そしてその勢いのまま“フェニックスパワー”の門を叩き、チューニングを開始したのである。
ブーストアップから始まったパワーチューンは徐々にステップアップしていき、現在はフェニックスパワーの2.2Lキット+GT2835タービンで実測370.2ps/45.2kgmを発揮するハイスペック仕様にまで進化。「これは僕が毎週通っている峠に合わせた感じですね」とのこと。
なお、ヘッドや燃料系はノーマルのままで、これについては「予算の都合で手が回らなかったんです(笑)でもトルクフルな特性には満足してますよ!」とオーナー。
男気溢れるエンドマフラーは、90年代SW20乗りたちの間で大ブレイクしたフェニックスパワーのデパーチャーだ。センター部には16段のオイルクーラーも完備する。
ホイールがシュテルン17インチに変更されている程度で、エクステリアはストック状態を維持。ただしオーナーの強い拘りにより、リヤウイングは3型純正へ、フロントウインカーは2型純正へとそれぞれチェンジされている。車高調はオーリンズベースのフェニックスパワーSPL、ブレーキはJZA80純正をフル移植している。
樹脂パーツ類に一切の劣化が見られないインテリアは、新車レベルの極上コンディションだ。Aピラーとコラム上にはアペックスELメーターが配備され、センターの1DINスペースにはビリオンVFC、HKS EVC、ブリッツターボタイマーが並ぶ。どれも90年代にブレイクしたパーツだ。
余談だが、オーナーは相棒を愛するあまり、自宅をビルトインガレージ(車庫を住宅に組み込んだモノ)で建てたそうな。しかもガレージスペースはSW20の寸法に合わせた専用設計…。オーナーとSW20の関係は永遠に続く、というわけだ。
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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