目次
イチヨン前期で野暮ったさを感じさせない絶妙なバランス感覚!
ブラウン&ホワイトでまとめたシンプル2トーンスタイル
カスタムカーを表現する際によく用いられる“シンプル”という言葉は、非常に幅広い意味を持っている。しかし、このS14シルビアQ’sの持つシンプルさは非常に分かりやすい。それは、徹底的なまでの“2トーン仕上げ”ということ。しかも、ほぼ全ての作業をオーナーがDIYにて行なっているのだ。
ボディはクラウンをはじめとするトヨタ車に純正採用されていたローズレッドマイカでオールペン。ボディカラー+一色の2トーンで仕上げるべく、フロントのマーカー類やテールランプはクリアレンズを投入し、余分な色の排除も徹底している。
フロントはイベントなどでナンバーを外した際のクリーンさを意識し、ナンバー台座部分のスムージングも行われている。
ホイールはボルクレーシングのTE37V。17インチの10Jマイナス20というサイズを通しでセットしている。ちなみにTE37Vにホワイトの設定は存在しないが、オーナーはパウダーコートの塗装を施してオリジナリティを追及。フェンダーはフロントがDIYによる叩き出し、リヤは50mmワイドのチャージスピード製を装着することで絶妙なフェンダープロポーションに仕上げられている。
フロントのブレーキキャリパーはR32スカイラインタイプM純正の対向キャリパーに、MAXドリフト製330mm2ピーススリットローターの組み合わせ。4穴ハブにこのサイズのローターはなかなか珍しいそうだ。
車高調はラルグス製で、スプリングはフロント20kg/mm、リヤ18kg/mmのMAQS製。かなりの低車高ながら、アーム類は純正品のままというから恐れ入る。
室内はスパルコのバケットシートや、OMPのステアリングがセットされているのみのライトな仕様。ドリフトも楽しむマシンということで、リヤには履き替え用のタイヤが積まれていた。
S14シルビアはシャープなフロントマスクが与えられた後期型に人気が集中しているが、前期型でもやり方次第ではココまでできる。絶妙なバランス感覚で組み上げられたそのスタイリングは、ノスタルジックさとモダンさの共存した斬新な雰囲気を放っていた。
PHOTO:土屋勇人(Hayato TSUCHIYA)