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RE雨宮流のFD3SミッションO/H術に迫る
不定期連載でお届けするWEB OPTION編集長コラム。約20年ぶりにRX-7(FD3S)を購入し、再びロータリーチューニングカーライフを満喫しようともがく男の物語だ。
RX-8の5速ミッション移植で浮かれ気分
前オーナーがどのような使い方をしていたのかなど知る由もないが、我がFD3Sはどうにもメカニカルトラブルが多い。その都度、修理しているものの、怪しいポイントはまだまだある。中でも、走行に直接関わる部分ではミッションが深刻だ。というのも、2速と5速がとにかく入らない! オイル交換しても改善が見られず、嫌な予感しかしない…。
そこで、程度の良い中古ミッションに積み換えてもらおうと、主治医のRE雨宮@雨さんにSOSを出したところ「表にはあまり出してないけど、RX-8の5速を使ったミッションチューンをやってんだよ。試してみる? ちょっと高いけど」とのお言葉が。
RX-8のミッション移植は6速なら聞いたことがあるけれど、5速は初耳。「5速から5速ってあんまりメリットないような…」と、少しモヤモヤしつつそのまま入庫。
待つこと数日。RX-8の5速ミッションを加工流用したFD3Sが完成した。
はやる気持ちを抑えながら運転席に滑り込む。そしてエンジンをかけてシフトを1速に入れた瞬間、このミッションチューンの凄さが理解できた。信じられないくらいスムーズで、大げさではなく吸い込まれるようにギヤが入っていく。“ゴクン!”が“スコッ”になったイメージだ。
こうして完全復活したFD3S。ルンルン気分で帰路につこうとしていた僕に、かのリビングレジェンドはニヤニヤしながらこう呟いた。「ミッションの調子を見るのに若い衆に乗せたんだけどさ、セブンの魅力が全くないって言ってたよ。ピロはガタガタでサスもひどい。セブンじゃない何かだね、このクルマ!」。
“FD3Sじゃない何か”。哲学的な言葉にも聞こえるが、きっと最悪の個体ということなのだろう。しかし、もう後戻りはできない。ここまできたら、ロータリーの神様に認めてもらえるようなFD3Sになるまで、コツコツ育てて行こうと決意した次第です…。
●取材協力:RE雨宮 千葉県富里市七栄439-10 TEL:0476-90-0007
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