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西日本のサーキットで速さを見せつける青い弾丸
エンジンは3〜4年に一度のペースでオーバーホール!?
今回紹介するBNR34は、オーナーが20年以上に渡って愛情を注ぎ続けているストリート兼サーキットスペック。その速さはかなりのもので、鈴鹿2分13秒、岡山国際1分38秒、セントラル1分20秒と、西日本の主要サーキットでトップレベルのタイムを自らのドライブでマークしているのだ。
エンジンはHKS2.8Lキットに、GTIII-RSタービンを組み合わせた仕様。LINK(フルコン)による綿密なマネージメントにより、最大ブースト1.5キロ時に750psを発揮させている。
これらのメイキングやメンテナンスは関西の名門“オートセレクト”が担当。「正確には覚えてないですけど、エンジンは5基目か…6基目ですね」とオーナー。使い方がハードなだけに、エンジンは3〜4年に一度のタイミングでオーバーホールを行なっているというから恐れ入る。
サスペンションはオートセレクト謹製の湾岸サスキット(F22kg/mm R18kg/mm)でセットアップ。アーム関係はフロントにイケヤフォーミュラ製アッパーアームを投入しつつロアアームの延長加工も実施。リヤはフルピロ化+フルリジッド化が行われている。
ブレーキはフロントがR35純正キャリパー+380mmローター、リヤがフェラーリF360ブレンボ+343mmローターという組み合わせだ。
ホイールは前後ともに11Jプラス15×18インチのボルクレーシングZE40(+40mmスペーサー)。ここまでのワイドホイールとワイドトレッド化を許容するため、前後フェンダーは大幅な拡幅加工を行い、全幅1830mmでの公認を取得している。ちなみにフロントはオートセレクト製ベース、リヤは鉄板加工だ。
クスコ製10点式ロールケージが張り巡らされたスパルタンなコクピット。オーディオやリヤの内装等は撤去されているが、最低限度の快適性としてエアコンは残している。運転席はレカロのプロレーサーSP-Aのカーボンモデルだ。なお、各開口部にはフルスポット増し補強を慣行し、ボディ剛性を飛躍させている点も見逃せない。
トラブルが多かった純正のMFD(マルチファンクションディスプレイ)は取り払い、代わりにモニターを埋め込んでLINKの情報を表示。キーオンでオートセレクトのロゴが浮かび上がるオープニング機能も備えるなど、マルチに使える逸品だ。
エアロ関係はオートセレクト製のデビルスポイラーやカナードに加えて、オーナーお手製のアンダースポイラーもセット。高速域でのダウンフォースを重視したセットアップだ。
GTウイングは、オートセレクトの“デビルウイング”。通常の市販モデルは1600mm幅なのだが、この車両はワンオフでウイング幅を1750mmまで拡大している。トップシークレットのディフューザーを含め、威圧的なリヤビューだ。
「元々は母親の愛車なんです。それを譲り受けて。高価なパーツが沢山ついてるけど、20年間コツコツ走って直してというのを繰り返してたらこうなったんです(笑) 今後も、もったいぶらずにサーキットでシバき倒しますよ!」とオーナー。さらなる躍進が楽しみな一台だ。
PHOTO:土屋勇人(Hayato TSUCHIYA)