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仕様変更を経て8年間の眠りから覚醒!
ラジアルタイヤで9秒切りを狙うフルチューンスペック
第二世代GT-Rの魅力といえば、グループA直系の直6ターボエンジンをマニュアルミッションで味わえるところにある。今回紹介するBNR34のオーナーも、そんな魅力に取り憑かれた人物の一人。現在では、R32型からR34型までのGT-Rを全て所有するほどの熱の入りようだ。
このGT-Rの所有歴はおよそ15年(取材時)。ナンバー付きのドラッグ仕様として、9秒4のベストタイムを誇る超速スーパーチューンドなのだが、「仕様変更を兼ねた入庫で8年くらい眠ってました。少し前に復活させたんですよ」とオーナー。
D2モーターワークス製作のエンジンは、腰下に東名パワードの87φピストンとトラスト製75.7mmストロークのフルカウンタークランクを組み込んだ2.7L仕様。ヘッドもナプレックの手により燃焼室加工やポート研磨、ビッグバルブ化などキッチリと行われている。
ワンオフEXマニを介してインストールされたタービンは、ウエストゲート式のギャレットGTX-3076Rツイン。ピークパワーは1000ps&85kgmに達しているというから恐れ入る。
ドーピングアイテムとしてNOSも追加。タンクは特製の土台を作ってトランクルーム内に固定する。噴射のタイミングは任意ではなく、回転数と車速が設定値に達した時に噴射するよう設定されている。これによって得られるエクストラパワーは200psとのことだ。
ホイールはニスモLM-GT4ベースのブラッシュド&ダイヤモンドカットリム仕様(スペシャル品)。ブレーキキャリパーはガンコートと呼ばれる焼付け塗装が施されたF50ブレンボ。サスペンションはHKSハイパーマックスのドラッグ用をセットしている。
ちなみにレース本番では、17インチのボルクレーシングTE37&フージャードラッグラジアルの組み合わせを使うそうだ。
サイトウロールケージ製のサイドバー付きロールケージが装備された室内は、いかにもストリートファイターらしい仕上がり。シートはレカロのRM-S、ラインロックスイッチを備えたステアリングはパーソナルだ。
追加メーターは機能的に配置。大型のタコメーターはアペックス製で、PLXのA/Fメーターを重ねるように配置。センターコンソールにはF-CON Vプロ用のミクスチャーコントロールや、2WD/4WD切り替えスイッチなどが整然と並ぶ。
ミッションは様々なメーカーの強化品を試し、現在はホリンジャーの6速シーケンシャルドグを搭載。トラブルやシフトミスも減り、コンスタントに9秒台を出せるようになったそう。
エクステリアを覆うマジョーラカラーは塗装ではなくフルラッピングによるもの。施工から10年以上が経過しているものの、色褪せやヒビ割れなどの劣化はほとんど見られないという。
今後は細部をさらにブラッシュアップさせて、ラジアルタイヤでの9秒切りを目指していくと語るオーナー。自己ベスト更新に期待が高まるスーパーチューンドだ。
PHOTO:土屋勇人(Hayato TSUCHIYA)